兌換元

兌換元（がいかだかんけん）とは

兌換元（がいかだかんけん、Foreign Exchange Certificate：FEC）は、中華人民共和国政府が外貨管理のために1979年に導入し、1980年4月1日から1995年1月1日まで流通した特別な紙幣です。これは、中国銀行が発行した外貨兌換券であり、主に外国人観光客や商用目的で訪れる外国人が、外貨を人民元に両替する際に渡されていました。紙幣の表題には「外汇兑换券」と記されていました。

概要

当時の中国では、一般の中国人が使用する人民幣（RMB）とは別に、この外貨兌換券が流通していました。外貨兌換券と人民元の額面価値は等価でしたが、外貨に両替可能であったことや、人民元では購入できない輸入品が購入できたことから、外貨兌換券は中国人の間で非常に人気がありました。その結果、外貨兌換券と人民元の間での闇両替が横行し、闇レートはFEC1元あたり人民元1.5元から1.8元程度で取引されることもありました。

券種は1角、5角、1元、5元、10元、50元、100元の7種類があり、表面には万里の長城をはじめとする中国の観光地が描かれ、裏面には中国語と英語で使用上の注意が記載されていました。そのため、見た目は表側だけが通常の紙幣のようなデザインでした。

1993年の中国共産党第14期中央委員会第3回総会において、人民元と外貨との兌換を段階的に可能とする方針が決定されました。この決定により、外貨兌換券の新規発行は停止され、1995年1月1日に流通も停止され、廃止されました。その後、人民元も外貨との両替が可能になりましたが、再両替には制限がありました。具体的には、再両替は6,000元までに制限され、両替時に発行された両替証書が必要でした。さらに、両替証書があっても、人民元に交換してから半年以内かつ、両替した外貨の半額相当までしか再両替は認められていませんでした。

外貨兌換券の役割

外貨兌換券は、当時、中国における外貨管理の重要な手段でした。外国人観光客やビジネスマンが持ち込んだ外貨を、中国国内で使用できる形で流通させる一方で、国内の人民元を外貨に交換することを制限していました。これにより、中国政府は外貨を管理し、経済状況を安定させることを目指していました。

しかし、その特殊な性質から、闇両替が横行し、経済の歪みを生む要因ともなりました。外貨兌換券の廃止は、中国経済の自由化に向けた大きな一歩であったと言えます。

関連項目

兌換ウォン
兌換ペソ

外部リンク

* 兌換元（外貨兌換券）について（画像あり）

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