児玉数夫

児玉数夫（こだま かずお、1920年4月30日 - 2022年7月20日）は、日本の映画評論家であり、別名として玉松徳夫（タママツ トクオ）の名も使用していました。日本映画ペンクラブの名誉会員としても知られています。

生い立ちと初期のキャリア

児玉数夫は、東京市赤坂区（現在の東京都港区）で生まれました。本籍は三重県伊勢市にありました。1941年に日本大学専門部経済科を卒業後、外務省に入省し、調査部や情報局第三部に配属されました。戦後、1947年にはセントラル映画社に入社し、その後ロマンス社が発行する『フォトプレイ』日本語版の編集部などを経て、映画評論家としての道を歩み始めました。

映画評論家としての活動

児玉数夫は、映画評論家として、幅広いジャンルの映画に関する評論や著述活動を展開しました。特に、西部劇や無声映画、怪奇映画、ミュージカルなど、多様なテーマの映画史や作品に関する深い知識と愛情に裏打ちされた著作を数多く発表しています。彼の評論は、単なる作品解説に留まらず、映画文化や歴史、社会背景までをも視野に入れた、多角的な視点からなされるものでした。また、映画の魅力を一般読者にも分かりやすく伝えることを重視しており、その文章は多くの映画ファンから支持されました。

著書と業績

児玉数夫の著書は多岐にわたり、その内容は映画史、作品研究、ジャンル論など、映画に関する幅広い分野を網羅しています。代表的な著書としては、『活動狂時代』、『妖怪の世界 : 怪奇映画への招待』、『西部劇総覧』、『無声喜劇映画史』、『やぶにらみ映画史 : 戦後の記録』、『映画の味わい方』、『怪奇映画紳士録』、『西部劇紳士録』、『西部劇大鑑』、『やぶにらみ世界娯楽映画史 戦前編』、『やぶにらみ世界娯楽映画史 戦後篇』、『名探偵銀幕登場』、『西部劇 : 娯楽映画の世界』、『ミュージカル : 娯楽映画の世界』、『キートン!キートン!!キートン!!! : Buster Keaton and his friends』、『映画を楽しむ小事典』、『映画雑学おもしろbook』、『世界名女優物語』、『世界名優物語』、『世界映画エロティシズム物語』、『世界SF映画物語』、『懐しのハリウッドミュージカル黄金時代 : 映画アドでみるアメリカ・ミュージカル映画の世界』、『ホラー映画の怪物たち』、『ヨーロッパ映画1950's : Golden age』、『アメリカ映画1950's : Golden age』、『活動狂日記 : 私の映画史昭和六年～二十二年』、『リメイク映画への招待』、『MGM-アメリカ映画黄金時代』、『ターザン』、『1940年代の洋画』、『それはホームズから始まった:掌編ミステリー映画史』、『ハリウッド広告史 : Kodama collection』、『バスター・キートン100th』、『ハリウッドリメイク映画物語』、『モンスター映画の誕生』、『ハリウッド・ギャングスター』、『懐かしの映画女優101』、『密林・南海映画美女図鑑 : 知られざるヒロインの系譜 : Kodama collection』、『西部劇大鑑』、『1930～1950年代洋画アドグラフィティガイド』、『私の映画日記』シリーズ、『スクリーン・エロティシズム』シリーズなどがあります。

これらの著書は、映画史研究における重要な資料であるとともに、映画ファンにとっては貴重な読み物となっています。また、共著として『昭和映画世相史』も発表しています。児玉数夫の著作は、映画史研究だけでなく、映画文化の発展にも大きく貢献しました。

晩年と遺産

児玉数夫は、2022年7月20日に逝去しましたが、彼の映画に対する情熱と深い知識、そして多岐にわたる著作は、今もなお多くの映画ファンや研究者に影響を与え続けています。彼の遺した功績は、映画史において永遠に語り継がれることでしょう。

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