入川橋

入川橋について

入川橋（いりかわばし）は、埼玉県秩父市大滝にかかる重要な道路橋です。この橋は荒川に架かり、国道140号の一部として機能しています。入川は秩父多摩甲斐国立公園内に位置するため、周囲には美しい自然が広がり、交通の要所となっています。橋の全長は99メートル、幅は9.8メートル、そして有効幅員は9.0メートルです。最大支間長は38.2メートルで、上部には両側に歩道を備えた鋼の連続箱桁橋です。

橋の特長

入川橋は特徴的なカーブを持っています。起点側から見ると、滝川の流域に向かって左へ70度曲がっており、高さは河床から橋面まで30メートルに達しています。橋の欄干は鉄製で、両側に設置された歩道が歩行者の安全を確保しています。また国道でありながら、管理は埼玉県が行っており、国道140号は補助国道として県が全区間を管理しています。さらに、この橋は埼玉県の第一次特定緊急輸送道路にも指定され、地域の防災面でも重要な役割を果たしています。

歴史的背景

入川橋の建設は1962年に始まり、1981年の完成を目指して推進されました。周囲は急峻な山岳地帯で、工事は非常に難航しましたが、入川橋の架設は工事の核となりました。1972年に橋が竣工し、1973年7月11日に開通しました。この橋が開通することで、現場への物資搬送が円滑になり、周辺道路の建設工事が進めやすくなりました。

開通以前は、特に山梨方面へのアクセスが困難でしたが、入川橋の存在により最短ルートが確保されることとなり、観光や産業の発展も期待されました。また、開通当初は秩父郡大滝村に位置していましたが、2005年に大滝村が秩父市に合併され、所在地が変更されました。さらに、入川橋は2017年に耐震補強工事を受け、施工を担当した株式会社山口組は埼玉県から優秀施工業者として表彰されています。

周辺の特徴

入川橋の周辺は、秩父鉄道の三峰口駅から車で約38分の距離にあり、観光スポットへのアクセスにも恵まれています。橋の下流には入川と滝川の合流点があり、下流に行くと荒川の名に変わります。周辺には自然が豊かで、観光客にも人気の入川渓谷や滝川渓谷があります。また、公共交通機関としては、橋の東詰に西武観光バスの運行路線があります。

その他の周辺施設としては、川又バス停留所、入川橋の東側にある川又橋（国道140号の橋）、川又吊り橋（正式名称不明）、さらに東京発電川又発電所や栃本堰堤があります。これらの施設と相まって、入川橋は地域の重要なインフラとして広く利用されています。

入川橋は、ただの交通路以上の価値を持ち、周囲の自然環境との調和を考慮して建設された貴重な歴史的資産です。これからも多くの人々に利用され、それぞれの目的地への橋渡しを続けていくことでしょう。

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