入船敏

入船敏（いりふね さとし）さんは、1975年12月14日生まれの日本の陸上競技選手であり、現在は指導者としても活動しています。鹿児島県日置市出身の入船さんは、高校時代からその才能を発揮し、福岡国際マラソンでの素晴らしい成績や国際大会での経験をもとに、多くの選手に影響を与えてきました。

学業の面では、鹿児島商業高等学校を卒業後、1994年に京セラに入社しました。しかし、同社の男子陸上競技部が廃止されるため、2000年にカネボウに移籍しました。カネボウでは、シドニーオリンピックで男子10000m7位に入賞した高岡寿成と同じチームに所属しており、ライバルでありながら尊敬する選手として彼の名前を挙げています。また、入船さんの実弟である満も陸上選手としてのキャリアを持ち、彼もまたカネボウに在籍していました。

入船さんは、1999年に世界陸上セビリア大会に男子10000m選手として初出場しましたが、結果は20位でした。2002年にはフルマラソンに初挑戦し、びわ湖毎日マラソンで11位の成績を収めました。当初はスランプに悩まされましたが、2005年2月の別府大分毎日マラソンでの独走により、2時間10分を切る自己記録を樹立し、初のマラソン優勝を果たしました。

その後の競技人生では世界陸上ヘルシンキ大会にも選ばれましたが、結果は20位でした。しかし、この時、男子マラソン団体戦で日本チームは金メダルを獲得しています。続いて、2006年の東京国際マラソンでは4位に入り、その年のドーハアジア競技大会では代表として出場し、3位に入賞した大崎選手に次ぐ4位に留まりました。これまでの成果の中で、2008年の福岡国際マラソンでは日本人トップの2位に入り、自己ベストを更新するなど、着実に成長を証明しました。

2009年のベルリン世界陸上では、自己最高順位となる14位を記録しましたが、オリンピック出場は果たせず、アテネ、北京、ロンドン大会の選考会に挑戦しましたが、惜しくも選出には至りませんでした。2012年の福岡国際マラソンを最後に現役を引退し、その後、コーチとしてカネボウ陸上部に就任しました。

入船さんの主な自己記録には、1500mでの3分51秒04（2007年）、5000mでの13分22秒12（2001年）、10000mでの27分53秒92（2001年）、ハーフマラソンでの1時間01分36秒（2000年）、マラソンでの2時間09分23秒（2008年）があります。これらの記録は、彼が長年にわたり培った努力と才能の証を示すものです。現在は、陸上競技の指導者として、次世代の選手たちの成長を支えています。入船敏さんが歩んできた道のりは、体育界における重要な一例であり、選手としての経験を活かした人材育成に貢献しています。

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