全国人民代表大会

全国人民代表大会について

全国人民代表大会（全人代）は、中華人民共和国の最上位の立法府であり、国家の最高権力機関に位置付けられています。一院制の議会で、「全人代」や「人大」と略され、一般的には日本では「全人代」と呼ばれています。この大会は、国家の行政権や司法権を監督し、重要な法令や予算を審議する役割を担っています。

概要

全人代は、そのメンバーが国家主席や副主席、国務院（中央政府）および最高人民法院などの重要なポジションを選出することからも分かるように、実質的に国家運営に関与しています。この代表者たちは、全人代に対して責任を持っており、全人代は彼らの監督機関ともなっています。全人代のメンバーは、省・自治区・直轄市・特別行政区において人民代表大会や中国人民解放軍から選出されます。

一般市民は、県レベル以下の人民代表大会の議員を直接選ぶことができますが、全人代の議員は間接選挙によって選ばれるため、実際には選挙を通じて一部の候補者に信任投票を行う形式となります。

議事堂

全人代の会議は北京の天安門広場西側に位置する人民大会堂で行われます。この大会の開催期間中は、周辺地区の交通規制が実施されることがあり、一般市民のアクセスも制限されることがあります。また、全国人民政治協商会議と同時に開催されることから、両者を合わせて「両会」と呼ぶこともあります。

議案の審議

全人代では、共産党主体の議案や予算案が審議されます。時折、反対票や棄権票も出されることがありますが、過去にこれらの議案が否決されたことは一度もありません。2022年には電子投票方式が導入されており、議員は机上のボタンを使って投票を行います。万が一、電子機器が故障した場合には挙手による投票が行われることも定められています。

構成と機関

中華人民共和国憲法第59条に基づき、全人代は全国から選ばれた代表者3000人で構成されています。議員の中には、中国共産党以外の政党のメンバーや少数民族の代表もいます。大会の常設機関である常務委員会は、立法や政策決定を行うために設立されています。常務委員会は全人代の代表から選出され、任期は5年です。

全人代には、法律や内務、教育などを担当する専門委員会もあり、様々な政策の実施に携わっています。

権限

全人代の権限としては、憲法の改正、国家主席の選出および罷免、国務院総理の任命、国家予算の審査などがあり、国家の方針を決める上で非常に重要な役割を果たします。このように、全国人民代表大会は、国家の基本的な方針を定める機関であり、政治体制の中で極めて重要な役割を担っています。

定期開催

全国人民代表大会は1954年に設立され、文化大革命中やその後の混乱期もあったものの、1980年代以降は毎年定期的に開催されています。一般的に3月に開催されることが多く、特に5日には開会式が行われます。開催の時期は国家の政治状況や他の要因によって変更されることがありますが、全国人民代表大会は常に中国の政治運営において中心的な役割を持っています。

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