全国商工会議所女性会連合会

全国商工会議所女性会連合会とは

全国商工会議所女性会連合会（ぜんこくしょうこうかいぎしょじょせいかいれんごうかい、英語名：National Federation of Chambers of Commerce and Industry Businesswomen's Clubs）は、日本全国の商工会議所内に組織された女性経営者や事業者の団体である「女性会」の全国連合組織です。それぞれの地域で活躍する女性リーダーたちが連携し、情報交換や相互研鑽、地域社会への貢献活動などを通じて、会員企業の発展と地域経済の活性化を目指しています。

設立の背景と歴史

その起源は、第二次世界大戦後の混乱期を経て、女性の社会進出が本格的に始まった1949年頃に遡ります。この時期から、日本各地の商工会議所内に、女性経営者や事業者が集まる「婦人会」が組織されるようになりました。これらの婦人会は、戦後の厳しい経済状況の中で事業を営む女性たちが、互いに支え合い、経営の知識を学び合う貴重な場となりました。

各地で婦人会の活動が活発化するにつれて、地域を超えた連携の機運が高まりました。そして1960年、高知県において記念すべき第1回婦人会協議大会が開催され、全国的なネットワーク構築に向けた第一歩が踏み出されました。この協議大会は、各地の婦人会が一同に会し、課題や展望を共有する重要な機会となりました。

地域間の連携強化の流れを受け、その4年後の1964年7月には、大阪の地で全国規模の統一組織として「全国商工会議所婦人会連合会」が正式に結成されました。これにより、全国の女性経営者・事業者団体を束ねる基盤が確立され、組織的な活動を展開していくことが可能となりました。

名称変更と現在の組織体制

時代の変化とともに組織の名称も見直されることとなり、2000年11月8日に横浜で開催された第32回総会において、現在の名称である「全国商工会議所女性会連合会」へと改称されました。この名称変更は、会員が単なる「婦人」という枠にとどまらず、経営者や事業者としての「女性」である点をより明確にする意図があったと考えられます。これに伴い、全国各地の支部組織も、順次「女性会」へと名称を変更しています。

主な活動内容

全国商工会議所女性会連合会は、会員の経営能力向上や相互交流の促進、そして地域社会への貢献を目指し、多岐にわたる活動を展開しています。

特に注目される活動の一つに、2002年に創設された「女性起業家大賞」があります。この賞は、新たな事業を立ち上げたばかりの創業期において、革新的な経営手法や創意工夫によって事業の発展に挑戦している女性経営者を顕彰することを目的としています。女性の起業を促進し、その活躍を社会全体に広く周知するための重要な取り組みとなっています。

組織規模の拡大と社会的位置づけ

組織は着実に拡大を続けており、日本を代表する女性経営者団体へと成長を遂げました。2011年時点では、全国に403の女性会支部を擁し、約2万4千人を超える会員が所属する規模となっていました。これは、日本の同種の団体の中でも最大級の規模です。

その後もそのネットワークは広がり続け、2022年を迎える頃には、全国417の商工会議所女性会がこの連合会に加盟するまでに至っています。この加盟組織数と会員数の多さは、本連合会が日本の女性経営者コミュニティにおいて果たす役割の大きさを示しています。

その活動は社会的な認知も高まっており、内閣府男女共同参画局が発行する広報誌「共同参画」といった媒体でも、その取り組みが紹介されるなど、多方面から注目されています。

近年の活動事例

全国の会員が一堂に会する全国大会は、本連合会の主要なイベントの一つです。近年では、2023年10月に新潟県において、記念すべき第55回全国大会が盛大に開催されました。こうした全国大会は、会員同士の交流を深め、最新の経営情報や地域経済の動向について学び、今後の活動方針を確認する重要な機会となっています。

全国商工会議所女性会連合会は、これからも全国の女性経営者・事業者たちの声を集約し、その地位向上、事業の発展、そして地域社会の持続可能な発展に貢献していくことが期待されています。

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