全国知的障害者スポーツ大会

全国知的障害者スポーツ大会、通称「ゆうあいピック」は、1992年の東京大会を皮切りに、2000年の岐阜大会まで開催された、知的障害のある人々を対象としたスポーツ大会です。この大会は、厚生省（現在の厚生労働省）、全日本手をつなぐ育成会、日本知的障害者愛護協会、そして開催地の都道県や政令市などが共同で主催していました。

大会の開会式には、高円宮夫妻が臨席されるのが恒例でしたが、記念すべき第1回東京大会には、当時の皇太子徳仁親王（現在の天皇陛下）が臨席されました。この事実は、大会の重要性と社会的な関心の高さを物語っています。

ゆうあいピック設立の背景には、国際連合が主催した「国連障害者の10年」の最終年を記念する事業として、第1回全国精神薄弱者体育大会が東京都で開催されたことがあります。この大会が、ゆうあいピックへと発展していく礎となりました。

しかし、大会の歴史の中で、困難な時期もありました。第4回大会として予定されていた兵庫・神戸大会は、1995年に発生した阪神・淡路大震災の影響により、やむなく中止となりました。震災の甚大な被害は、スポーツ大会の開催をも不可能にするほど深刻なものでした。

そして、2000年の岐阜大会をもって、ゆうあいピックはその幕を閉じます。岐阜大会の閉会式において大会旗が返納され、全国知的障害者スポーツ大会は、全国身体障害者スポーツ大会と統合される形で、新たに全国障害者スポーツ大会として生まれ変わりました。

この統合は、障害のある人々が共にスポーツを楽しむ機会を増やし、相互理解を深めることを目的としたものでした。ゆうあいピックの精神は、全国障害者スポーツ大会へと引き継がれ、より多くの人々がスポーツを通じて交流し、活躍できる社会の実現を目指しています。

開催地一覧

第1回（1992年）：東京
第2回（1994年）：福岡
第3回（1996年）：千葉
第4回（1998年）：兵庫・神戸（※阪神・淡路大震災のため中止）
* 第5回（2000年）：岐阜

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