全国社会保険協会連合会

全国社会保険協会連合会（全社連）

一般社団法人全国社会保険協会連合会（略称：全社連）は、健康保険や厚生年金保険をはじめとする社会保険事業全般の円滑な運営促進を主な目的として活動している団体です。過去には厚生労働省の管轄下に置かれていた時期があります。

設立と初期の活動

この連合会は、1952年12月17日に社団法人として設立されました。設立当初は、健康保険、厚生年金保険、その他の社会保険が滞りなく運営されるよう促進すること、被保険者とその家族の福祉向上に貢献すること、そして社会保障制度の確立を目指すことを目的としていました。設立時の会員は、全国各都道府県の社会保険協会、合わせて47団体でした。

設立以来、全社連は主に国からの委託事業として、多岐にわたる活動を展開しました。特に重要な役割の一つが、社会保険関連施設の経営・整備です。国が設置した病院、診療所、看護学校、介護老人保健施設などの医療・福祉施設を数多く運営していました。

施設の運営とその転換

かつて全社連が運営または経営に関与していた施設は多岐にわたります。例えば、全国に設置されていた社会保険病院や、厚生年金事業振興団が受託運営していた厚生年金病院、船員保険会による船舶病院などです。

これらの施設は、独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構（RFO）に経営委託されていましたが、2014年3月31日をもってこの委託契約は終了しました。それに伴い、翌4月1日に新たに発足した独立行政法人地域医療機能推進機構（JCHO）へ、これらの医療・福祉施設はまとめて譲渡されることとなりました。

この施設譲渡は、全社連にとって大きな転換点となりました。例えば、社会保険病院の多くはJCHOの運営となり、「地域医療機能推進機構〇〇病院」や「地域医療機能推進機構〇〇医療センター」といった名称に変更されました。看護学校についても同様の措置が取られ、一部は他の運営主体へ移管されたケースもあります。

会計問題と組織再編

多数の医療施設を運営していた時期には、会計処理に関する問題も発生しました。2013年には、全社連が経営していた全国51の病院において、2012年度の決算処理に約118億円ものずさんな会計処理が確認され、厚生労働省から改善を求める命令を受ける事態となりました。

これらの経緯も経て、2014年4月1日の施設譲渡と同日に、全社連自身もこれまでの社団法人から一般社団法人へと組織形態を変更し、新たなスタートを切りました。

現在の活動

施設の運営事業からは撤退しましたが、全社連は現在も社会保険に関する活動を続けています。その一つとして、社会保険に関する情報や知識を発信する月刊誌『社会保険』を刊行しています。

かつては社会保険関連施設の経営主体として大きな役割を果たしていましたが、現在はその形態を変え、社会保険事業全体の円滑な運営という設立時の目的達成に向けた活動を行っています。

関連情報

一般財団法人社会保険協会
日本の医療、日本の福祉、日本の年金に関する制度
* 外部サイト：一般社団法人全国社会保険協会連合会

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