全国経理教育協会

公益社団法人全国経理教育協会（全経）の概要

公益社団法人全国経理教育協会（略称：全経）は、東京都豊島区に拠点を置く公益社団法人です。1956年に全国商経学校長協会として設立され、その後、全国経理学校長協会を経て、2005年に現在の名称となりました。2011年には公益法人制度改革に伴い、公益社団法人に移行しています。

全国約250校の専門学校が加盟しており、簿記、経理、税務に関する教育・検定事業を幅広く展開しています。長年にわたり、日本の経理教育の普及・発展に貢献しています。

主要な検定試験

全経では、多様なニーズに対応するため、12種類以上の検定試験を実施しています。主な検定試験は以下の通りです。

1. 簿記能力検定

商業簿記、会計学、工業簿記、原価計算に関する知識・技能を評価する検定です。上級から3級まで、レベル別に試験が用意されており、それぞれのレベルで求められる知識・技能は異なります。

上級: 高度な専門知識と複雑な実務処理能力が求められます。1983年度以降の合格者には税理士試験の受験資格が与えられます。
1級: 商業簿記、工業簿記に関する高度な知識と実務処理能力が求められます。
2級: 個人・法人企業の経理担当者として必要な商業簿記の知識と実務処理能力が求められます。
3級: 個人企業の経理補助者として必要な商業簿記の知識と基本的な実務処理能力が求められます。
基礎簿記会計: 組織管理のための基本的な帳簿作成能力を測ります。

2. 計算実務能力検定

帳票計算と商業計算の能力を評価する検定です。1級から3級まであり、各級で出題範囲が異なります。帳票計算では、精算表や棚卸表などの作成能力、商業計算では、比率計算や原価計算などの知識が問われます。

3. 税法能力検定

所得税法、法人税法、消費税法、相続税法に関する知識を評価する検定です。1級から3級まであり、各級で求められる知識のレベルが異なります。

4. 社会人常識マナー検定

社会人として必要な常識やマナーに関する知識・技能を評価する検定です。1級から3級まで、留学生向けのJapan Basicも用意されています。

5. 文書処理能力検定

ワープロと表計算の2部門で実施されています。ワープロ部門では、文書作成能力、表計算部門では、表計算ソフトの操作能力が評価されます。

6. 電卓計算能力検定

電卓を用いた計算能力を評価する検定です。段位制を採用しており、高度な計算能力が求められます。

7. コンピュータ会計能力検定

コンピュータ会計システムの操作能力を評価する検定です。1級から初級までレベル別に試験が用意されています。

8. 社会福祉会計簿記認定試験

社会福祉法人の会計に関する知識を問う検定試験です。一般財団法人総合福祉研究会と共催しています。

9. 中小企業BANTO認定試験

中小企業の会計・財務知識に加え、法律・コミュニケーション能力なども問う、中小企業のビジネススキルを評価する検定試験です。

過去の検定試験

過去には、珠算能力検定、情報処理能力検定、IT活用能力検定、秘書能力検定なども実施していましたが、現在は終了しています。

その他

全経では、検定試験以外にも、全国簿記電卓競技大会（2023年から全国簿記競技大会に変更）などを開催し、経理・会計分野の発展に貢献しています。また、「簿記の日」を制定するなど、社会貢献活動にも積極的に取り組んでいます。一定の資格を取得することで、経理実務士の認定申請も可能です。

協会の情報

所在地: 東京都豊島区
設立: 1956年
会員: 全国約250校の専門学校
* 事業: 検定試験の実施、教育関連事業など

全経は、日本の経理教育における重要な役割を担っており、今後も経理・会計分野の人材育成に貢献していくことが期待されています。

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