全国豊かな海づくり大会

全国豊かな海づくり大会について

全国豊かな海づくり大会（ぜんこくゆたかなうみづくりたいかい）は、水産資源の持続的な利用と海洋環境の保全を促進するために開催される国民的行事です。水産業に対する理解を深め、広く一般市民の意識を高めることを目的としています。大会は1981年に始まって以来、毎年、各都道府県で開催されてきました。

大会の主催と後援

本大会は、公益社団法人豊かな海づくり推進委員会や都道府県の実行委員会によって主催され、農林水産省の後援を受けています。この大会の式典には、天皇・皇后が出席することが慣例となっており、全国植樹祭や国民スポーツ大会、国民文化祭と並ぶ「四大行幸啓」の一つとされています。1981年の初回から、天皇明仁が皇太子として出席したり、後に天皇として出席したりするなど、皇室との関わりが強いイベントでもあります。

開催地の特徴

「海づくり大会」という名称にもかかわらず、海がない地域でも開催されることがあります。例えば、2007年に滋賀県、2010年に岐阜県、2014年に奈良県で行われた大会は、その代表的な例です。これは「健全な水循環の形成」という理念に基づいています。特に奈良県での第34回大会では、「山は川を育み、川は海を育む～山・川・海の自然の恵みを未来に～」をテーマに掲げて開催されました。

具体的なプログラム

大会では、天皇陛下のお言葉の発表や、功績をあげた団体への表彰、作文や写真コンクールの入賞者発表などが行われます。さらに、大会の締めくくりとして、天皇・皇后のお手による魚の放流や、参加者による放流イベントも行われるため、参加者にとって特別な体験となります。式典の周辺では、海に関連する多様なイベントも開催されるため、地域全体がその大会に沸き立ちます。

メディアによる放送

大会の模様はNHKにより録画中継され、全国に配信されます。しかし、特定の年の大会ではその他のイベントとの都合で録画放送の形式が変わることもあります。たとえば、2016年の山形大会はリオデジャネイロパラリンピックとの関連で、放送日時が変わり、9月19日に録画されたダイジェスト版が放送されました。

過去の開催と今後の展望

全国豊かな海づくり大会は、地域住民や関係者との結びつきを強めると同時に、水産資源と海洋環境の重要性を訴える重要な役割を果たしています。今後もこの大会が継続し、全国の海に対する認識を高めていくことを期待されます。さらに、環境の保護と持続可能な社会の実現に向けた新たな取り組みも進められることでしょう。

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