全国高等学校女子硬式野球ユース大会

全国高等学校女子硬式野球ユース大会（ぜんこくこうとうがっこうじょしこうしきやきゅうユースたいかい）は、日本の女子高校野球界において、若い世代の選手たちの育成と技術向上を目指して開催される全国大会です。この大会は、毎年8月下旬に主に岐阜県と愛知県を舞台に実施されており、全国高等学校女子硬式野球連盟が主催しています。

大会の歴史と変遷

本大会は、その開始以来、名称、主催者、そして参加対象などにおいていくつかの変遷を遂げてきました。第1回大会は「全日本女子硬式野球ユース選手権大会」という名称で実施され、その後、2016年まで開催された第7回大会までは「全国女子硬式野球ユース選手権大会」として知られていました。大会の黎明期においては、関東女子硬式野球連盟が主催しており、高等学校のチームに加え、中学生のチームやクラブチームも全国から参加することが可能な、より幅広い層を対象とした大会でした。

しかし、2017年の第8回大会からは、大会名が現在の「全国高等学校女子硬式野球ユース大会」へと改められ、同時に主催も全国高等学校女子硬式野球連盟へと引き継がれました。この変更に伴い、大会の性格はより高等学校の硬式野球部に所属する選手に特化したものとなったと考えられます。

開催地についても変化が見られます。大会が始まった2010年の第1回大会からしばらくの間は、埼玉県加須市や栃木県佐野市が主な開催地でした。しかし、2021年の第12回大会からは開催地が愛知県へと移り、さらに2022年の第13回大会からは、愛知県に加えて岐阜県も共同開催地として加わることとなり、現在の開催体制に至っています。

主な大会規定

全国高等学校女子硬式野球ユース大会では、公正かつ円滑な競技のために、以下の様な詳細な大会規定が定められています。

ベンチ入り人数: 試合に参加するチームは、ベンチ入りできる選手数を11名から25名の範囲内で登録します。
背番号: 選手、監督、コーチの背番号は、1番から99番までの間で自由に選択・登録が可能です。
使用球: 大会で使用される公式球は、ミズノ株式会社製の女子硬式野球用球です。
試合形式: 試合は原則として7イニング制で行われます。
タイブレーク: 規定の7回を終了して両チームが同点の場合、勝敗を決めるためにタイブレーク方式が採用されます。タイブレークは、無死ランナー一塁・二塁の状態から開始されます。
延長・タイブレーク（準決勝・決勝）: 準決勝および決勝戦においては、9回までの延長戦が認められています。9回を終えてもなお同点の場合は、通常の試合と同様にタイブレークが実施されます。
コールドゲーム: 点差による早期終了規定として、5回終了以降にどちらかのチームが7点以上のリードをつけた場合、コールドゲームが適用され試合が終了します。ただし、この規定は準決勝および決勝戦には適用されず、これらの試合は規定イニングまで必ず行われます。
水分補給: 選手の健康管理を考慮し、試合中の水分補給のためのタイムは、試合時間の計測には含まれません。

これらの規定のもと、全国から集まったユース世代の選手たちは、日頃の練習の成果を競い合い、全国大会ならではの熱戦を繰り広げます。

他の全国大会との関連

女子高校野球には、夏に行われる最も規模の大きい「全国高等学校女子硬式野球選手権大会」や、春に開催される「全国高等学校女子硬式野球選抜大会」など、いくつかの主要な全国大会があります。全国高等学校女子硬式野球ユース大会は、これら他の大会と並び、女子高校野球の年間スケジュールの中で重要な位置を占めており、特に若い世代の選手たちの育成と活躍の場を提供しています。

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