全国高等学校総合体育大会登山競技大会

全国高等学校総合体育大会登山大会

全国高等学校総合体育大会登山大会（略称：全国高校登山大会）は、日本全国の高等学校生徒たちによる登山チームが参加する重要な全国大会です。この大会は全国高等学校体育連盟、日本山岳・スポーツクライミング協会、読売新聞社の共催で行われ、夏季インターハイの一環として各県持ち回りで開催されます。開催にあたっては高体連登山専門部や開催県の体育連盟、山岳連盟が関与することが一般的です。

大会の概要

登山大会では、安全に登山を行うための技術や体力の定着を目的として、多岐にわたる審査項目が設定されています。各都道府県から選ばれた代表選手4名で構成されたパーティーが、3泊4日の競技期間中に体力や技術など合計11の項目について審査を受け、総合100点満点で評価されます。評価項目には、体力、歩行技術、装備、設営や撤収、炊事、天気図、自然観察、救急、気象、記録・計画、そして読図、マナーが含まれています。この中で歩行技術が10点、マナーが5点等、各項目に配点が設けられ、得点の合計によって順位が決定されます。

なお、この大会の特色として、時間を競う形式ではない点が挙げられます。選手たちは各項目を的確にこなし、十分な安全対策を講じつつ、評価を得ることが求められます。

歴史と変遷

過去には配点や審査内容が変更され、特に評価基準が変動することが多い大会でもありました。かつては体力30点、設営や撤収が10点といった配点が設定されていましたが、近年では体力が40点と比重を増させる傾向にあります。また、団体男子（A隊）には全国の47都道府県から各代表校が参加するほか、種目縦走（C隊）もあったが、2010年にこのC隊は終了しました。

表彰制度も大きな変化を遂げており、1994年までは上位4校を同列に「優秀校」として扱い、金メダルを授与される仕組みでしたが、1995年からは明確に1位から6位までに入賞を決定し、金、銀、銅といったメダルを授与するようになりました。

その他の大会と影響

全国の高校生たちが参加するこの大会以外にも、以前は国民体育大会（国体）においても山岳競技が行われていましたが、近年ではスポーツクライミングにしか焦点が当てられなくなりました。環境の変化や近年の事故を受けて、県高体連は登山大会を2021年度からは実施しないとの決定も下しました。また、2002年には踏査競技、2008年には縦走競技が廃止されるなど、時代に合わせた形で競技形態も変わっています。なお、那須岳の事故においては高校生や教員が命を落とす悲劇もあり、安全対策の見直しが求められるようになりました。

まとめ

全国高等学校総合体育大会登山大会は、登山技術と安全意識の向上が図られる重要なイベントであり、安全を第一に考えた競技運営が今後も続いていくことが期待されています。参加選手たちは、大会を通じて的確な知識や技術を習得し、今後の登山活動に生かすことが求められています。

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