全日本クロスカントリー選手権

全日本クロスカントリー選手権 (JNCC)

全日本クロスカントリー選手権、通称JNCC（Japan National Cross-Country）は、一般社団法人JNCCによって主催される、モーターサイクルを用いたオフロード競技シリーズです。自然地形の中に設定されたコースを、設定された時間内に何周できるかを競うエンデューロ形式のレースが主体となります。この選手権は、国内におけるクロスカントリー競技の普及と振興、そして競技レベルの向上を目的として開催されています。

歴史的背景と発展

JNCCシリーズのルーツは、それまでの国内のMCクロスカントリー競技をさらに発展させることを目指して開催された「ハリケーンエンデューロAAGP」に遡ります。この前身イベントは、国内で統一されていなかった競技規則の標準化を提唱し、最高峰クラスとしてAAクラスを明確にするクラス分け体系の導入を意図して命名されました。その思想とポリシーを受け継いだJNCCは、2006年に正式に設立されて以来、着実に規模を拡大し発展を遂げてきました。現在では、年間を通して開催されるシリーズ戦として、平均400台を超える参加者を集めるまでに成長。これはアジア地域においても最大級のオフロードバイク選手権シリーズであり、日本のモータースポーツシーンにおいて重要な地位を占める存在となっています。

JNCCシリーズ、およびその前身である1984年創設のハリケーンエンデューロ時代から一貫して行われてきた大きな特徴は、世界の著名なトップライダーをほぼ毎年招へいし続けている点です。これは35年以上にわたる長い歴史の中で継続されており、日本のクロスカントリー競技シーンに独自の文化をもたらしました。日本人ライダーたちは、世界のトップレベルの走りや考え方を肌で感じ取る貴重な機会を得ることで、自らの技術や戦術を磨き、競技力の向上に繋げてきました。この海外トップライダーとの交流は、日本のクロスカントリー界全体のレベルアップに大きく貢献してきたと言えるでしょう。

ちなみに、「ハリケーンエンデューロ」という名称は、当時の世界的なアメリカのモトクロススターであるボブ・ハンナ選手を初めて日本でのレースにゲストとして招へいしたことに由来しています。彼のニックネームである「ハリケーン・ハンナ」にちなんで名付けられました。

現在の競技クラス

JNCCシリーズには、参加者のレベルや年齢に応じた複数のクラスが設定されています。主なクラスは以下の通りです。

キッズ & トライ: 主に若年層や初心者向けのクラス。競技時間は70分。
FUN-GP: 比較的経験のあるアマチュアライダー向けのクラス。競技時間は100分。
COMP-GP: 競技力の高いライダーやプロフェッショナルが競う最高峰クラス。競技時間は3時間。

これらのクラス分けにより、幅広いライダーが自身のレベルに合わせて参加し、クロスカントリー競技を楽しむことが可能となっています。

歴代AAクラスチャンピオン

設立以降のJNCC最高峰クラス（AAクラス）の歴代チャンピオンは以下の通りです。

2006年：澤木 千敏
2007年：石井 正美
2008年：小池田 猛
2009年：小池田 猛
2010年：小池田 猛
2011年：鈴木 健二
2012年：鈴木 健二
2013年：鈴木 健二
2014年：渡辺 学
2015年：渡辺 学
2016年：小池田 猛
2017年：小池田 猛
2018年：渡辺 学
2019年：渡辺 学
2020年：該当情報なし

これらのチャンピオンたちは、日本のクロスカントリー競技の歴史にその名を刻んでいます。

JNCCシリーズは、今後も日本のオフロードバイクシーンを牽引し、国内外のライダーが集う熱気あふれる舞台を提供し続けていくことでしょう。詳細については、JNCC公式ウェブサイトをご参照ください。

（※本情報は2020年以前のデータに基づいています。）

もう一度検索