全日本スプリントスピードスケート選手権大会

全日本スプリントスピードスケート選手権大会（ぜんにほんスプリントスピードスケートせんしゅけんたいかい）は、かつて日本のスピードスケート界において、短距離種目の第一人者を決める重要な大会として位置づけられていました。

この大会は、2018年まで例年12月に2日間にわたって行われ、全国各地のスピードスケートリンクを持ち回りで開催されていました。

大会の形式は、男女ともにスピードスケートの短距離種目である500メートルと1000メートルを、それぞれ2回ずつ、合計4レース滑走するというものです。総合順位は、これら4レースのタイムを独自の換算方法で得点化し、合計得点が最も少ない選手が上位となる方式で争われました。

具体的な得点換算方法は、500メートルのタイムはそのまま得点として加算され、1000メートルのタイムは2で割った値が得点として加算されるというものでした。これにより、スプリント種目全般における選手の実力が総合的に評価されました。

全日本スプリント選手権は、単に国内王者を決めるだけでなく、国際大会への重要な登竜門としての役割も担っていました。特に、冬季オリンピックや世界スプリント選手権、さらにはISUワールドカップ後半戦に出場する日本代表選手の選考会を兼ねていたため、多くのトップスケーターにとってシーズン前半の最大の目標となる大会でした。

長年にわたり、その注目度の高さからテレビ放送も行われてきました。当初はTBSが放映権を持ち、「TBS杯」の愛称でも親しまれていましたが、第30回大会からはフジテレビに放映権が移行しました。

この大会の歴史を彩った選手の中でも、特に多くの優勝を飾ったのは、男子の清水宏保氏と女子の橋本聖子氏です。男子では、後のオリンピック金メダリストである清水宏保氏が圧倒的な強さを見せ、7回の総合優勝を飾りました。女子では、日本のスポーツ界に大きな貢献を果たしている橋本聖子氏が、歴代最多となる10回の総合優勝という偉大な記録を残しています。

本大会は、一貫して公益財団法人日本スケート連盟によって主催されてきました。

しかし、2019年6月19日に開催された公益財団法人日本スケート連盟の理事会において、大会形式の大きな変更が決定されました。2019/2020年シーズンより、全日本スピードスケート選手権大会との統合が図られることになったのです。

これにより、全日本スプリントスピードスケート選手権大会という独立した大会名での開催は2018年をもって終了しました。2019年以降は、新たに「全日本スピードスケート選手権大会 スプリント選手権部門」として、伝統的なスプリント形式の競技が引き継がれ、開催されています。

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