全日本チンドンコンクール

全日本チンドンコンクール

全日本チンドンコンクールは、富山県富山市で毎年4月上旬の土曜日・日曜日に開催される、春の訪れを告げる賑やかな祭りです。金曜日には前夜祭も行われ、富山の街はチンドン屋の音色と熱気に包まれます。

概要

全国から集まったチンドンマンたちが、その腕を競い合うコンクールがメインイベントです。各チームは、趣向を凝らした華やかな衣装や、ユニークなパフォーマンスで観客を魅了します。単に技術を競うだけでなく、チンドンマンたちは富山市の中心街を練り歩き、その陽気な演奏で街全体を盛り上げます。

歴史

その歴史は古く、1955年4月14日に第1回が開催されました。当初は「全国チンドンコンクール」として始まり、その後「全日本チンドン選手権大会」と名称を変えながら、富山桜まつりのメインイベントとして長年親しまれてきました。現在の「全日本チンドンコンクール」という名称になったのは1981年の第27回からです。現在では、30組前後のプロチームが出場し、その技を競い合っています。また近年では、プロだけでなく、アマチュアのチンドンマンによるコンクールも開催され、より多くの人々がチンドンの世界を楽しめるようになっています。

2005年には、長年の活動が評価され、実行委員会がサントリー文化財団より「サントリー地域文化賞」を受賞しました。これは、地域文化の振興に貢献した団体に贈られる賞であり、全日本チンドンコンクールが地域に根ざした文化として認められた証と言えるでしょう。

しかし、その歴史の中で、様々な困難もありました。2011年の第57回は、東日本大震災の影響で中止となりました。また、2020年の第66回は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、当初予定していたディズニーパレードを含むチンドン大パレードの中止や、コンクールを無観客で実施するなど、規模を縮小しての開催を予定していました。しかし、東京都からの12チームの参加が困難になったため、最終的にはイベント自体の中止が決定されました。2021年（第67回）、2022年（第68回）も中止となり、3年連続での開催見送りとなりましたが、2021年には参加予定チームによる動画配信が行われ、その灯を絶やさぬ努力が続けられました。

そして、2023年（第69回）は、4月7日から4月9日にかけて、4年ぶりに開催され、多くの人々がその復活を喜びました。

主な日程

前夜祭（金曜日）: 夕刻より、富山市中心部を流れる松川や富山城址公園周辺、歓楽街の桜木町などを、チンドンマンが演奏しながら賑やかに練り歩く開幕パレードが行われます。松川の遊覧船上からのチンドン演奏も楽しめます。
1日目（土曜日）: 午前中にはオープニングセレモニーがグランドプラザで行われ、その後、全日本チンドンコンクールの予選と素人チンドンコンクールが富山県民会館で開催されます。夕刻には、グランドプラザにてチンドン特別ステージが催されます。
2日目（日曜日）: プロ部門のコンクール本戦（決勝戦）と表彰式が行われた後、富山市の繁華街である平和通りや大手モールを、プロ・素人チンドンマンが演奏しながら賑やかに練り歩く大パレードが行われます。

期間中は雨天の場合、セレモニーやパレードなどの場所やルートが変更、または中止となる場合があります。

全日本チンドンコンクールは、単なる祭りではなく、富山の歴史と文化を彩る、地域に根ざした大切なイベントです。その賑やかな音色と笑顔は、訪れる人々を元気づけ、春の訪れを祝福します。

関連項目

チンドン屋
日本の[[祭一覧]]

外部リンク

全日本チンドンコンクール | 富山商工会議所

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