全日本デパートメントストアーズ開発機構

全日本デパートメントストアーズ開発機構 (ADO)

全日本デパートメントストアーズ開発機構、略して「ADO」は、かつて東京都新宿区に本部を置いていた百貨店の共同仕入機構です。この機構は、伊勢丹と松屋が主要な役割を果たし、1973年に設立されました。設立当初、伊勢丹が主導していた「十一店会」と、松屋が率いていた「ACO」を統合することで、新たに誕生したものです。その目的は、加盟店に対して効率的な仕入れを提供し、競争力を高めるためでした。

設立背景と運営

全日本デパートメントストアーズ開発機構は、設立以来、伊勢丹と松屋が継続的に総合幹事として運営されていました。2007年度には、加盟店の売上総額が約1兆9,700億円、共同仕入の扱い額は889億円に達し、日本の百貨店業界では最大規模の共同仕入機構とされました。

この機構の特徴的な部分は、解散前に公式ウェブサイトを運営していたことです。このサイトによると、2012年5月時点で33社74店舗が加盟していました。特に、百貨店全体が業績の低迷を示していた中で、加盟店は増加傾向にありました。この状況は、2008年に三越と伊勢丹の経営統合が大きく影響しているとされます。しかし、加盟社と非加盟の三越の店舗が競合する地域においては、商品開発が難航する一因にもなりました。

ユニークな加盟店構成

2015年11月時点での加盟店では、北海道の藤丸や札幌丸井三越、東北地方の川徳や藤崎、関東地域のスズラン、丸広百貨店など、多くの百貨店が分散して加盟しています。特に、三越伊勢丹と松屋は幹事社として名を連ね、関東地域の百貨店と強い結び付きがありました。

一方で、これらの加盟店の他にも、地域社会に密着した百貨店が数多く存在し、流通網を形成していました。これには、静岡伊勢丹や京急百貨店、トキハなどが含まれます。

解散とその後の影響

全日本デパートメントストアーズ開発機構は、2020年3月末での解散を迎えました。解散以前には、伊勢丹グループとしての性格が強かったため、三越伊勢丹ホールディングスの設立後、その影響がより顕著になることが予想されました。解散の理由としては、全体的な業界の縮小や加盟企業のリストラ、さらには提携解消などが挙げられます。

百貨店業界はその後も変化を続けており、新たなビジネスモデルや運営方針が求められる中、全日本デパートメントストアーズ開発機構の存在は、今後の業界動向に影響を与える重要な歴史的経緯として記憶されています。

このように、全日本デパートメントストアーズ開発機構は、百貨店の共同仕入れ機構として多くの業績を誇ってきたが、その一方で業界全体の変動にも影響を受け続け、最終的には解散という形で幕を下ろしました。

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