全日本妹選手権!!

全日本妹選手権!!

『全日本妹選手権!!』は、堂高しげるによる日本のギャグ漫画で、2000年に講談社の青年向け雑誌『ヤングマガジンアッパーズ』に短編として発表されました。その後、連載へと発展し、2004年に同誌の休刊に伴い終了しました。当然、最終巻の帯には「アッパーズ休刊の戦犯です」と書かれていました。

概要

この作品は初期においては、一般的な「妹キャラ」を風刺する形で、少年誌や青年誌、成人向け漫画に見られる典型的な妹キャラの描写を強調するギャグ漫画のスタイルを取っていました。しかし、物語が進むにつれて、物語の舞台となる女子高の漫画研究部に様々な妹キャラクターが集まり、オタク文化に深く根差した内容へと急速に変化していきます。この変化は、漫画、アニメ、同人誌、コミケ、さらにはやおい文化といった、いわゆるディープなオタクネタが詰まったものとなっています。

基本的には、私立日吉台女学院の漫画研究部「シリウス」を舞台にして、オタク女子たちの日常に焦点を当てていますが、作中ではしばしば脱線があり、設定を無視した討論や異なる設定の番外編が展開されることもあります。このため、登場人物たちには自身が漫画のキャラクターであることを自覚している者も多く、作品や作者、雑誌自体を笑いのネタにすることもあります。

また、全篇にわたって下ネタやエロネタが展開されており、これらが脈絡無く挿入されることもまた、本作のユニークなギャグの一部となっています。一方で、作品は漫画業界の表現規制にかかわる児ポ法の改正問題にも触れる部分があり、その一端に触れている点も注目されます。最終回では、『男坂』の最終回のラストシーンを本作らしくパロディ化することで締めくくられました。

登場人物

この作品には多様なキャラクターが登場します。例えば、主役の黒田恵美は実の兄に強い恋心を抱きながら、若干のオタク的適性を発見し、成長していきます。また、飯月操はシリウスの部長であり、強引な性格ながらも美しい外見とオタク知識で部員たちを指導します。矢井田律子は比較的まともなキャラクターとして描かれ、他の部員たちのまとめ役になります。さらに、さまざまな特色を持つキャラクターたちが個性的な日常を繰り広げる中で、オタク文化への一種のメタ視点も同時に描かれています。

生い立ちや背景を持つ他のキャラクターたち、例えば、長瀬亜紀や連城明日香、古木環美なども、それぞれ異なる趣味や関心を抱いており、作品内では複雑な人間関係が形成されています。彼女たちのやり取りは、オタク文化に対する熱意や理解が交差する興味深い内容となっており、作品の魅力を一層高めています。

単行本

『全日本妹選手権!!』はアッパーズKCから全7巻が刊行されています。各巻はギャグ満載の内容で、オタク文化をさまざまな形で反映し、深みを持たせています。最初の巻が2001年に発売され、その後数年の間に続巻が刊行されていきました。作品の人気を物語るように、さまざまなキャラクターやエピソードが詰まったこのシリーズは、読者に愛され続けています。

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