全日本民主医療機関連合会

全日本民主医療機関連合会について

全日本民主医療機関連合会（通称：民医連）は、日本の医療機関で形成された社会運動団体であり、特に無差別かつ平等な医療提供の実現を目指しています。1953年の設立から、医療従事者たちは理念を共有し、多くの病院や診療所が加盟してきました。

組織の概要

民医連は、現在、日本全国に1,782の事業所を持ち、約8万3千の職員が在籍している日本最大規模の医療関係組織です。その中には、病院142ヵ所、診療所489ヵ所、歯科診療所80ヵ所など、さまざまな医療機関が含まれています。加盟機関は各々独立した法人として運営されており、出資や経営の形態は多岐にわたっています。特に医療生協からの加盟が多く、地域に根ざした医療の提供に寄与しています。

理念と運動

民医連は「無差別・平等の医療と福祉の実現」を掲げ、その理念に従った医療を提供しています。具体的には、差額ベッド代を徴収しないなどの方針を採用し、お金がない方でも診療を受けられる病院・診療所を維持しています。また、地域における社会保障の充実や平和運動に関する活動も行っており、定期的に学習会や交流会を開催しています。

医療援助活動

全日本民医連は自然災害に対しても積極的に支援を行っています。阪神淡路大震災や東日本大震災では、1万人以上の医療従事者がボランティアとして医療活動に参加しました。また、COVID-19の影響により、民医連の病院では無料低額診療事業を展開し、収入の減少に悩む方々への取り組みも行っています。

綱領と組織の歴史

民医連は、2010年に新綱領を制定し、「営利を目的とせず、事業所の集団所有を確立し、民主的運営を目指す」との指針を採用しています。さらに、国と企業に明確な責任を求める姿勢も示しています。歴史を振り返ると、1930年代に開設された無産者診療所が起源となり、その後多くの医療活動が展開され、1953年には現在の全日本民医連が結成されました。

機関紙と情報発信

「いつでも元気」という月刊の機関誌を発行しており、医療や保健、社会保障活動に関する情報を提供しています。また、さまざまな関連誌も発行しており、医療従事者や関心のある方々に向けた情報発信を行っています。

日本共産党との関係

民医連は、日本共産党と密接な関係があります。加盟医療機関においては、党員が勤務している、あるいは党支部が組織されている場合も少なくなく、情報の伝達や医療政策において協力関係を築いています。

結論

全日本民主医療機関連合会は、医療の平等を追求し、多角的な活動を通じて地域社会の健康支援に努めています。その理念と活動は、医療従事者だけでなく、地域の人々にとっても大きな意義を持つものです。

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