全日本鉄道労働組合総連合会

全日本鉄道労働組合総連合会（JR総連）

全日本鉄道労働組合総連合会（JR総連）は、JRグループの労働組合を束ねる連合組織で、日本労働組合総連合会（連合）、全日本交通運輸産業労働組合協議会（交運労協）、国際運輸労連（ITF）に加盟しています。この組織は、鉄道業界の労働条件を守り、組合員の福祉を追求する役割を果たしています。

組織の概要

現在、JR総連はJR東日本、JR北海道、JR貨物の主要な労働組合を形成しています。また、鉄道関連の労働組合としてホテル聚楽労働組合も加盟しています。しかし、近年では国鉄時代の労働者の定年退職が進み、さらに2018年以降のJR東日本での労政転換により、多くの組合員の脱退が相次ぎ、組合員数は減少傾向です。2020年には組合員数は18,742名にまで減少しました。現在の委員長は山口浩治です。

歴史的背景

JR総連の歴史は、1987年の国鉄分割民営化にさかのぼります。この時、国鉄動力車労働組合（動労）や鉄道労働組合（鉄労）、全国鉄道施設労働組合（全施労）などの各組合が協力し合い、鉄道産業を再生し、組合員の雇用を守るために国鉄改革労働組合協議会を形成しました。初代会長は、旧鉄労出身の志摩好達でした。

国鉄分割民営化に際して、各鉄道会社ごとに新しい労働組合が設立され、1987年の4月1日には全日本鉄道労働組合総連合会（鉄道労連）が発足しました。この時に、JR総連の略称が定着することとなりました。

分割民営化以後も、組合間での対立が続きました。特に、旧鉄労系と旧動労系の組織間での対立が深まり、JR東海、JR西、JR四国、JR九州といった一部の労組がJR総連から離脱。結果、これらの会社ではJR総連関連の組合が少数派な状況となりました。2019年にはソフトバンク労働組合もJR総連から脱退し、情報労連に移籍しているなど、組織の動向は多様化しています。

政治との関不

JR総連は、立憲民主党など左派政党との関係が強く、過去には民主党や生活の党を支援していました。沖縄での活動も活発であり、組織内からの候補者が比例区で活動するケースも見受けられます。

革マル派との関係

近年、JR総連が革マル派の影響を受けているとの見方があり、これに関連して様々な報道や国会での質問が行われています。また、警察庁はJR総連やJR東労組に革マル派の活動家が浸透しているとの認識を示していますが、JR総連自身はその関連性を否定しています。

結論

全日本鉄道労働組合総連合会は、日本の鉄道産業において重要な役割を果たしてきましたが、近年の変化に直面し、組合員数の減少や組織内の対立が見られます。今後も業界内での労働環境の改善に向けて、引き続き活動を行うことが期待されます。

もう一度検索