全日本35km競歩高畠大会

全日本35km競歩高畠大会の概要

全日本35km競歩高畠大会は、毎年10月下旬から11月上旬にかけて山形県高畠町で開催される陸上競技大会です。この大会は山形陸上競技協会の主催のもと、地域に根ざしたスポーツイベントとして地元の人々に愛されています。

歴史と背景

この大会の第1回は1991年に実施され、その前年まで石川県根上町（現在の能美市）で開催されていた全日本50km競歩大会が移転し、新たに始まりました。この移行により、全日本競歩大会は引き続き開催されることになりましたが、2020年と2021年は新型コロナウイルスの影響で中止となりました。2024年には輪島大会の中止に伴い、日本選手権大会を兼ねる形で開催される予定です。

大会のコースは、第1回は高畠町運動公園前を発着点とする1周1.9kmの折り返しコースで行われましたが、1992年から2002年までは同じ発着点で1周2kmの周回コースに変更されました。このコースは郊外の農地に隣接していたため、観衆の集まりが少ない状況でした。2003年からは場所を旧山形交通高畠線高畠駅近くの市街地に移し、1周2.5kmの折り返しコースで行われています。

大会の意義

全日本35km競歩高畠大会は、その年の競歩競技における主要な国内競技会の締めくくりを行う重要なイベントです。また、翌年の主要国際競技会に向けた国内選考競技会でもあり、多くの選手たちにとって重要な位置を占めています。重要なのは、この大会が唯一参加標準記録のない競歩日本代表選手選考競技会である点です。参加者には制限時間が設けられていますが、多くの選手が参加しやすい環境が整っているのです。

さらに、35km競歩は国内で年に2回しか開催されない貴重な大会でもあり、最近では10月に岩手県北上市で行われる大会や全日本マスターズ競歩大会・いわて北上ロードウォーク大会が加わっています。このような機会を通じて、日本の競歩の裾野が広がり、それぞれの大会が選手育成に寄与しています。

記録と影響

大会では、これまでに多くの日本記録が誕生しています。特に1998年の男子20km競歩において、池島大介選手が日本人選手初の1時間19分台を記録しました。この偉業は競歩界における一つの金字塔として位置づけられています。また、この大会をきっかけに高畠町の中学校でも授業の一環として競歩が取り入れられるようになりました。地元の中学生たちは毎年、中学生の部に参加し、競技の楽しさに触れています。

競技種目

大会では様々な競技種目が行われており、男子35km競歩、男子20km競歩、女子20km競歩、女子10km競歩、高校男子10km競歩、高校女子5km競歩、中学男子3km競歩、中学女子3km競歩などが開催されます。多彩な種目が用意されていることで、観客も楽しむことができ、選手たちは自らの実力を試す機会を得ています。この大会は、競歩の魅力を広めるとともに、新たな才能の発掘にも寄与する場となっているのです。

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