全米サラブレッド競馬協会

全米サラブレッド競馬協会（NTRA）は、アメリカ合衆国における競馬界を代表する組織の一つです。北米各地の競馬場や競馬関連団体が加盟する任意団体であり、各州ごとの競馬統括機関とは異なる役割を担っています。

日本の地方競馬全国協会のような、レース日程や施行条件、賞金の決定といった権限は持っていません。これらの決定は、各州の競馬統括機関によって行われます。NTRAの主な役割は、アメリカ競馬全体の振興と発展に貢献することにあります。

具体的には、会員からの会費や資金を元に、アメリカ競馬のマーケティング、コマーシャル、プロモーション活動などを展開しています。全米各地で行われる主要な競馬レースのテレビ放映権の管理も重要な業務の一つです。これにより、より多くの人々に競馬の魅力を伝え、業界全体の活性化に繋げています。

NTRAの設立は1997年に遡ります。競馬の人気向上と競馬産業の経済状況改善を目的として、ブリーダーズカップ社、オーナー・ブリーダー協会、ジョッキークラブ、キーンランド協会、オークツリー競馬協会、全国サラブレッド協会といった複数の団体が共同で資金を出し合い、創設されました。

設立当初から、NTRAはアメリカ競馬界における重要な役割を担ってきましたが、2001年にはブリーダーズカップ協会と業務提携、そして後に合併を果たしました。これにより、NTRAはブリーダーズカップ競走の振興にも力を注ぐようになり、その影響力はさらに大きくなりました。ブリーダーズカップは、アメリカ競馬界を代表する一大イベントであり、その運営にNTRAが深く関わっていることは、アメリカ競馬界全体の活性化に大きく貢献していると言えるでしょう。

スポンサー企業の誘致も、NTRAの重要な活動の一つです。多くの企業がNTRAを通して競馬に関与することで、業界全体への資金流入が促進され、より質の高いレースの開催や、より魅力的な競馬体験の提供が可能になります。

このように、NTRAは各州の競馬統括機関とは異なる立場から、アメリカ競馬界の発展に貢献しています。レースの運営そのものには直接関わらないものの、マーケティング、プロモーション、スポンサーシップ獲得といった面で重要な役割を果たし、アメリカ競馬の隆盛を支えているのです。NTRAの活動は、単なるレースの開催にとどまらず、競馬という文化全体を盛り上げ、発展させていくための重要な取り組みと言えるでしょう。今後も、NTRAの活動によって、アメリカ競馬界はさらに発展していくことが期待されます。

もう一度検索