全米日系米国人記念碑

全米日系米国人記念碑

全米日系米国人記念碑は、アメリカ合衆国ワシントンD.C.にあり、第二次世界大戦中の差別や強制収容という困難な状況にもかかわらず、祖国への忠誠と貢献を続けた日系アメリカ人の愛国心と忍耐を称えるための場所です。この記念碑は、国立公園局によって管理されています。

概要

この記念碑は、国立日系アメリカ人記念財団（NJAMF）が意義を説明しており、日系人の歴史を知る上で非常に重要な場となっています。記念碑の核心を成すのは、日系三世のアーティストであるニーナ・アカムによって制作された、2羽のタンチョウを模った鋳造ブロンズ彫刻『黄金の鶴』です。この彫刻は、強い意志を象徴し、二羽の鶴が相反する姿勢をとることで宇宙の二面性を表しています。

彫刻は、直方体の台座に設置されており、その上にはドリルの芯を象徴する溝が刻まれています。鶴は互いに寄り添うように描かれ、有刺鉄線に止まることで、古傷や苦難からの解放を目指す個々の努力と共同体の連帯の美しさを示しています。

記念碑の中央には、戦争中に命を落とした800人以上の日系兵士の名前が記載された『名誉の壁』が配置されており、彼らの献身を永遠に記憶するための重要な要素となっています。また、日本の寺社に由来する梵鐘模様の鐘や、枯山水をテーマにした美しい庭園も設けられ、参拝者に静謐な雰囲気を提供しています。

岸辺には、1988年にロナルド・レーガン大統領が署名した『市民の自由法』の一環として、「我々は、ここに過ちを認め、法の下での平等を断言する」という言葉が刻まれた人工池も存在します。これは、歴史的な反省と共に未来への誓いを示す、象徴的な存在です。

設置の歴史

全米日系米国人記念碑の設置は1988年に始まり、日系退役軍人協会によって提案されました。そして1992年にジョージ・H・W・ブッシュ大統領によって公法が承認され、1999年に工事が始まりました。2000年11月には除幕式が行われ、2001年には完成記念式典が実施されました。

除幕式では、国防総省からのコメントもあり、戦場での勇敢な行動や強制収容所での苦しみを経た全ての日系人に捧げられた言葉が印象的です。また、ビル・クリントン元大統領もスピーチを通じて、彼女たちの愛国的な行動を称賛しました。

2002年には所有権が連邦政府に移管され、以降は国立公園局がこの記念碑の維持管理を担当しています。これにより、日系アメリカ人の歴史を伝える重要な文化財として、今後も多くの人々にその意義を伝え続けることでしょう。

まとめ

全米日系米国人記念碑は、過去の誤りに対する反省を促し、日系人コミュニティの勇気と献身を讃える貴重な場所です。また、未来へと続く平等と友情の象徴として、多くの人々に感銘を与え続けることでしょう。

もう一度検索