八十川勝

八十川 勝（やそかわ まさる）は、日本の映画監督、映像作家、脚本家、そして俳優として多方面で活躍しています。愛知県に生まれ、現在は兵庫県を拠点に活動を展開しています。

経歴

甲南大学を卒業後、1997年から2000年にかけて映像プロダクションに勤務。CGアニメーターとしてゲームのオープニング映像制作などに携わりました。この経験は、その後の映像制作における技術的な基礎となりました。2000年に独立後は、専門学校や大学でCGおよび映像に関する非常勤講師を務める傍ら、フリーランスの映像クリエイターとしての活動を開始します。

2004年には、地域に根差した映画製作を目指す団体「垂水映画」を設立。以来、自ら製作、監督、脚本、編集を手がけ、年に1本以上のペースで意欲的に作品を発表し続けています。設立当初から2008年までは、本名の八十川勝ではなく「真猿」という名義で活動していました。

主な監督作品と評価

インディーズ時代には、2008年に監督したファンタジー映画『チョチン？ル〜デル Vol1 前編・後編』（真猿名義）が第10回インディーズムービー・フェスティバルで準入選を果たし、注目を集めました。2009年には、俳優の辻岡正人やジュニアアイドルの夢原まひろを起用したホラー映画『ゾンビチャイルド』を発表。これが初の商業作品となり、全国のDVDレンタル店で取り扱われるなど、活動の幅を広げました。

その後も精力的に作品を発表し、2011年にはCM『そーいうことですわ。』で大阪府主催のOSAKA LOVERS CMコンテスト大賞を受賞。また、ショートムービー『青森AOMORI』があおもりムービーコンテスト2011・Rで入賞・エンコム賞、『神戸、4月物語』が神戸市主催の「神戸夜景のショートムービー」コンテストで入選するなど、地域をテーマにした作品でも高い評価を得ています。ホラー作品にも継続的に取り組み、『鬼子母神の子守唄』シリーズは商業展開もされています。2013年には、初の青春長編映画となる『ひよこカラー』を監督し、劇場公開を実現しました。

特に近年は、海外の国際映画祭での評価が高まっています。2016年に監督した『どんぐりコーヒーのおいしい煎れ方』は、世界三大映画祭の一つである第69回カンヌ国際映画祭のショートフィルムコーナーに出品されました。これを皮切りに、八十川監督の作品は海外の映画祭での出品や選出が飛躍的に増加します。2017年には、短編映画『Today,I am going to introduce my partner』がカリフォルニア国際映画祭とデイビス・チャイニーズ映画祭の短編部門で作品賞を受賞しました。また、『Listen to My Singing Voice』、『discommunication』など、複数の短編作品が海外の映画祭で受賞や入選を果たしており、国際的な注目を集めています。国内でも、The 48 Hour Film Project 大阪大会で複数回にわたり最優秀作品賞や最優秀監督賞など主要な賞を受賞しており、その実力は国内外で高く評価されています。

その他の活動

監督・脚本家としてだけでなく、俳優としても活動しており、『大阪外道』や『大阪蛇道』などの映画に出演しています。テレビ番組への出演経験もあります。

人物背景

八十川勝監督の大叔父には、大日本帝国陸軍の陸軍大将を務めた田中静壱がいます。

多才な才能を持つ八十川勝監督は、独立系映画製作を軸としながらも、商業作品、地域PR、短編から長編まで幅広いジャンルを手がけ、国内外でその作品が高く評価されています。今後も彼の生み出す独創的な映像世界に期待が寄せられています。

もう一度検索