八千代橋

八千代橋（やちよばし）

八千代橋は、新潟県新潟市中央区を流れる信濃川に架かる、新潟市道新潟鳥屋野線の一部を担う橋梁です。この橋は、川端町と幸西という二つの地域を結び、市民生活に欠かせない役割を果たしています。

概要

八千代橋は全長307.4mで、10径間の活荷重合成鋼およびプレストレストコンクリート床板単純桁橋という構造を持っています。車道は片側1車線の計2車線が確保され、両側には自転車や歩行者が安全に通行できる道が設けられています。橋の両端は盛り土部となっており、西側では新潟市道川岸町下大川前通線（信濃川左岸線）、東側では新潟市道信濃川右岸線をオーバーパスし、それぞれの交差点へと接続しています。西詰側の歩道は平面部へ直通していませんが、東詰側は車道と並行して平面部へアクセスできます。橋の両端にはスロープ付き階段とエレベーターが設置されており、信濃川両岸のやすらぎ堤へのアクセスも容易です。特に下流側の東詰には、NST新潟総合テレビ本社2階のイベントスペース「ゆめてらす」へ繋がるペデストリアンデッキがあり、市民の憩いの場としての機能も担っています。

歴史

八千代橋は、昭和初期に計画された都市計画道路「新潟鳥屋野線」の一環として、1964年の新潟国体開催に向けて新潟市内の道路を整備する目的で建設されました。また、萬代橋と昭和大橋の交通量増加を緩和するため、両橋の中間に位置する新たな橋として計画され、1961年5月に工事が開始されました。橋の名前は公募により「八千代橋」と名付けられ、1962年12月1日に開通しました。しかし、開通から2年後の1964年に発生した新潟地震によって橋脚が傾き、取り付け部が陥没するなど、自動車の通行が困難な状況に陥りました。この地震で昭和大橋は橋桁が落下しましたが、八千代橋は幸いにも倒壊を免れました。復旧工事の際には、新たに歩道が追加されています。

1989年には、新潟市制100周年を記念して老朽化対策と景観改修が行われました。高欄のデザインパネルには新潟を代表する柳、チューリップ、花火が採用され、歩道にはベージュのカラーブロック舗装が施されるなど、美観が向上しました。これらの取り組みが評価され、1990年には手づくり郷土賞（街灯のある街角）を受賞しています。

近年では、新潟駅周辺で進められている在来線の高架化工事に伴い、八千代橋を含む新潟鳥屋野線の南側区間（北越高校通り）との相互間が2020年3月19日に直通化され、交通の利便性が向上しました。

周辺情報

八千代橋の周辺には、新潟市立南万代小学校などの公共施設や、旧市街とマンションが立ち並ぶ地域が広がっています。この橋は、信濃川の河口から数えて3番目に位置し、上流には昭和大橋、下流には萬代橋が架かっています。

交通量

2004年6月の調査によると、八千代橋の1日あたりの自動車交通量は約16,300台となっています。

八千代橋は、市民の生活を支える重要なインフラであるとともに、新潟の美しい景観を彩るシンボルとして、地域に深く根ざしています。

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