八島 (戦艦)

戦艦八島（やしま）

戦艦八島は、日本海軍における富士型戦艦の2番艦であり、近代戦艦時代の象徴的存在と言えます。艦名は、日本列島の美称の一つに由来し、日本の海軍力の成長を示すものとなりました。日露戦争という歴史的な戦争の中で重要な役割を担ったものの、艦歴は非常に悲劇的です。

概要と建造経緯

戦艦八島は、姉妹艦である富士とともに計画された日本海軍初の近代的戦艦として、1891年から1892年にかけて建造予算が国会で否決され続けましたが、明治天皇の指導によりようやく建造が許可されました。アームストロング社で建造され、1894年12月28日に起工し、1896年2月28日に進水しました。竣工は1897年9月9日で、同年11月30日に横須賀に到着しました。

1898年3月には、海軍が戦艦の分類を改定し、一等戦艦としての地位を得ました。1899年には、当時の皇太子が葉山御用邸に向かう際に八島に乗艦し、注目を集めました。

日露戦争への参加

1904年の日露戦争が勃発すると、戦艦八島は日露戦争で重要な役割を果たすこととなります。旅順口攻撃や旅順港の封鎖作戦に従事し、連合艦隊の第一艦隊に所属しました。特に、1904年5月15日、老鉄山沖でロシア海軍の敷設した機雷に触れ、致命的な損傷を受けました。

艦は、初瀬に続いて触雷し、艦内には爆風が広まりました。艦は急激に傾き、救援を試みるも、無常に傾斜は増していきました。その結果、午後6時30分に全乗組員が艦を離れ、夜8時半過ぎには沈没してしまったのです。この日は日本海軍にとって厳しい惨事となり、同日に戦艦初瀬も沈没しました。

沈没の影響とその後

戦艦八島の沈没は、日本海軍にとって衝撃的な事件となりました。主力戦艦の二隻を失ったことで、海軍は即座に艦艇の緊急補充を提言し、将来的な戦力の補強に取り組むこととなりました。国民の動揺を避けるため、日本海軍は八島の沈没を隠蔽し続け、日露戦争の大勝利を確認するまで沈黙を守りました。

1905年6月1日、日露戦争での艦の喪失が公表され、6月15日には正式に艦籍から除かれました。このように、八島は日本の海軍史に名を刻む艦でありながら、悲劇的な運命をたどった戦艦であったと言えるでしょう。

年表

• - 1894年12月28日：イギリスで起工
• - 1896年2月28日：進水
• - 1897年9月9日：竣工
• - 1898年3月21日：一等戦艦に類別
• - 1904年：日露戦争に参加
• - 1905年6月1日：喪失公表
• - 1905年6月15日：除籍

八島の艦歴は、日本海軍の変遷を物語る重要な部分であり、戦争という激動の時代における艦の姿を今に伝えています。

もう一度検索