八幡橋 (坂戸市)

八幡橋の紹介

八幡橋（はちまんばし）は、埼玉県坂戸市の越辺川に架かる橋で、冠水橋（潜水橋）として知られています。坂戸市道1449号線に位置し、地域の生活道路として重要な役割を果たしています。この橋は、全長65メートル、幅2.9メートルの木桁橋で、木製の床板とH形鋼を併用した根太（梁）で構成されています。橋脚は木製で構成され、流木避けとして木組みが施されています。

橋の特徴

八幡橋は、自動車の通行が可能ですが、通行には制限があります。設置された標識により、車幅制限は1.9メートル、重量制限は2.0トンと定められていましたが、老朽化の影響で2021年から軽自動車に限定され、車幅制限が1.48メートル、重量制限が1.0トンに引き下げられました。また、両端には進入制限用のブロックが設置されています。この橋は道幅が狭いため、片側交互通行となっており、管理は坂戸市が行っています。

八幡橋は、坂戸市フィルムコミッションに指定され、近隣の島田橋と同様にテレビや映画の撮影に利用されているスポットとなっています。さらに、彩の国景観賞を受賞しており、その美しい風景が評価されています。

歴史の背景

江戸時代には、八幡の渡しとして知られる渡船場が存在し、小沼村と中山村を結んでいました。また、明治時代には渡し場が移転し、新しい流路が開削される動きがありました。1955年には、冠水橋が新河道に架けられ、地域の交通が改善されました。その後、2007年の台風9号による水害で流失し、復旧工事が行われ、2008年に再度開通しました。

廃止の経緯

しかし、2022年6月の大雨により橋に損傷が見つかり、その後の協議の結果、2023年3月から全面通行止めとなりました。2025年には解体される予定で、これにより越辺川には残る冠水橋は島田橋だけとなる見込みです。

周辺環境

八幡橋の周辺は自然に恵まれた地域で、越辺川では多様な魚が釣れるスポットとしても知られています。右岸側には大規模な農地が広がり、左岸側は住宅地や工業団地が形成されています。また、桜並木も存在し、春には美しい景観を楽しむことができます。北側の飯盛川合流点周辺は白鳥たちが飛来する場所でもあり、地域の自然環境が豊かです。

結論

八幡橋は、その歴史的背景や美しい景観、地域の生活道路としての役割を持つ重要な橋であり、地域住民にとっての交通手段としても重要な存在でした。橋の廃止に向けた動きはその歴史の一部として記憶され、地域のシンボルとしての役割を果たしてきたと言えるでしょう。

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