八戸市多賀多目的運動場

八戸市多賀多目的運動場（プライフーズスタジアム）

八戸市多賀多目的運動場は、青森県八戸市に位置し、主に球技に利用される多目的施設です。このスタジアムは、地域の災害対策やスポーツ振興の一環として整備された重要な施設です。

建設の背景と経緯

2011年3月に発生した東日本大震災は、八戸市に大きな津波をもたらし、多くの人々が被害を受けました。この災害の経験を踏まえ、八戸市は2013年9月に津波避難のための地域活性化も視野に入れた多目的運動場の整備を決定しました。特に、津波による住家被害が大きかった市川町多賀地区を対象とし、避難者が安全に避難できる一時避難施設としても機能します。

設計の責任者は2013年10月から公募で選ばれ、2014年3月に基本設計が策定され、同年中に実施設計も完了しました。新しいスタジアムは、八戸市を本拠地とするプロサッカークラブ、ヴァンラーレ八戸のためにJ3リーグの開催基準を満たすようにデザインされています。

2014年度に造成工事が始まり、2015年から本格的な工事が行われました。スタジアムは2016年6月には85％の完成度を達成し、10月にはオープニングセレモニーが行われました。この際、ヴァンラーレ八戸とMIOびわこ滋賀の試合は、集まった5,028人の観客の前で行われ、スタジアムが初めて大勢の人々に公開されました。

施設の概要

プライフーズスタジアム

八戸市多賀多目的運動場内に位置するプライフーズスタジアムは、日本サッカー協会の基準を満たす天然芝フィールドを有し、全体で5,200人を収容できます。メインスタンドは約1,000人を収容でき、サイドスタンドやバックスタンドは芝生席です。また、大型映像装置も設置されており、最新の観戦体験を提供しています。

スタジアムの設計には将来の照明設備の設置を見据えた配慮がなされており、2021年には照明施設が完成し、ナイターでの試合開催も可能になりました。さらに、スタジアムの命名権は複数回変更されており、2020年からは食品メーカーのプライフーズがその権利を保有しています。

管理棟と津波避難施設

スタジアムの中央部には、RC造の4階建ての管理棟があり、普段はスタジアムの運営管理に使用されています。1階には更衣室、3階には放送席や記者席、4階にはコミュニティセンターとしても利用できる集会室が整備されています。津波発生時には、この集会室が避難所となり、緊急時の情報収集や応急処置も可能です。

多目的グラウンド

また、人工芝の多目的グラウンドも完備されており、サッカーやその他のスポーツイベントに対応できる施設となっています。

アクセスと周辺環境

八戸市多賀多目的運動場へのアクセスは、八戸駅から車で約25分、そして公共交通機関でも便利にアクセス可能です。周囲には多賀台団地や保育園、小学校があり、地域住民との交流の場としても利用されています。

このように、八戸市多賀多目的運動場は災害対策とスポーツ振興の両方を兼ね備えた重要な施設であり、地域の安全と健康を支える存在となっています。

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