八王子市陵南会館爆破事件

八王子市陵南会館爆破事件

八王子市陵南会館爆破事件は、1990年10月9日に東京都八王子市で発生した爆弾テロ事件です。この事件は日本の新左翼勢力、特に革労協解放派が関与したもので、昭和天皇の大喪列車用に設置された臨時駅の跡地に建った公民館を標的にしました。

標的の由来

事件のターゲットとなった「陵南会館」は、八王子市の公民館として利用されていました。元々は森の中にある国鉄中央本線の東浅川駅で、特に大正天皇の大喪列車に備えて設置された皇室専用の駅でした。しかし、皇室の多摩御陵参拝に自動車がよく使われるようになったため、1960年に駅は廃止。1962年に八王子市に譲渡され、以降は市民のための施設として利用されてきました。

事件の発生

1990年、天皇明仁の即位の礼が行われる前年、各地で新左翼のテロ事件が相次いでいました。このような背景の中、事件は発生しました。10月9日、陵南会館の西側勝手口付近で突然の爆発音が響き渡り、火災が発生しました。火災は約1時間後に消し止められることとなりましたが、陵南会館の大部分が焼失し、周辺の住宅でも窓ガラスが割れるなどの被害が報告されました。この事件では幸運にも死傷者は出ませんでしたが、現場に残された消火器爆弾や時限式発火装置から、警視庁公安部は新左翼による爆弾テロであると断定しました。

事件から数日後の10月13日には、革労協解放派が「革命軍」という名義で犯行声明を各媒体に送りました。

事件の波紋

この事件は新左翼による皇室を標的にしたテロの新たな展開を象徴しています。従来、皇室関連施設や、天皇や皇族の祭神として崇められている神社などが主な標的でしたが、陵南会館のように歴史的に皇室に関係している施設が新たに狙われたことで、警備の対象が大幅に広がることとなりました。事件以降、警察は皇室関連施設の安全管理を一層強化する必要に迫られ、日本社会全体に警戒感が広がりました。

参考文献

• - 警察庁編『平成3年 警察白書』、警察庁、1991年
• - 『朝日新聞』1990年10月9日夕刊、10月11日朝刊
• - 『読売新聞』1990年10月9日夕刊

このような事件が二度と起こらないように、私たちは歴史から学び、注意深く及び環境への理解を深める必要があります。

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