公共経営研究科

公共経営研究科について

公共経営研究科（こうきょうけいえいけんきゅうか）は、早稲田大学の政治経済学術院にかつて存在した公共政策大学院です。この研究科は2003年に設立され、2011年に学生の募集を停止するまで、専門職学位課程と博士後期課程で多くの学生を受け入れていました。その後、2012年には新たに早稲田大学大学院政治学研究科の公共経営専攻に再編され、2020年にはさらにグローバル公共政策コースとして新生しました。

背景と目的

早稲田大学の設立者である大隈重信は、人間の寿命を125歳と主張していたことに由来し、大学は125周年記念を特別視しています。この数字は、大学の歴史において重要なエポックとなっているため、創立125周年を迎えた2007年には、引き続き優れた人材を育成するための環境を整えることを目指しました。特に、ハーバード大学のケネディスクールにならい、公共経営に関する洞察力や高いリーダーシップ、国際感覚、道徳心を備えた人材の育成が目標とされました。

この研究科は、国家公務員や地方公務員、国際機関職員、政治家など、様々な分野で活躍できる人材の供給を目指しています。具体的には、公務員試験対策やフィールドワークを通じて、実際の現場での経験を重視していました。さらに該当分野でのインターンシップを積極的に実施し、実務経験を通じて学生の成長を支援しました。専門職学位課程を修了した学生には、公共経営修士という専門職学位が授与され、博士後期課程の修了者には「博士（公共経営）」の学位が授与されました。これにより、単なる専門職教育だけでなく、研究職としての資質も培われていたのです。

教員とカリキュラム

当研究科の初代研究科委員長には、著名な元日本行政学会理事長の片岡寛光氏が就任し、その後は石田光義氏、縣公一郎氏と引き継がれました。専任教員陣には、政治や経済、ジャーナリズムなど多様な分野の専門家が揃っており、その中には特に北川正恭氏が著名です。学生は新卒者から多様なキャリアを持つ社会人まで多岐にわたり、議員やジャーナリストなどの現役職業人が多く学びました。

特徴的なプログラム

公共経営研究科では、各界の有名人を講師に招き、特別講義を行う「トップセミナー」が名物となっていました。2007年度には、政治家や著名な実業家など多彩なゲストが講義を行い、学生たちに貴重な知見を提供しました。また、インターンシップ先として自由民主党本部や各省庁、報道機関に加え、民間企業なども豊富に用意されていました。

終焉と再編

2011年に学生募集を停止した後、2012年には早稲田大学大学院政治学研究科の専門職学位課程に再編される過程で、公共経営の専門性を維持しつつ新しい形での教育を追求しました。2021年からはグローバル公共政策コースに移行し、時代の変化に対応した学びを提供することを目指しています。これまで多くの卓越した人材を輩出してきたこの研究科は、今後も公共政策に関する教育および研究の発展に寄与し続けることでしょう。

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