公園管理運営士

公園管理運営士とは

公園管理運営士（こうえんかんりうんえいし）は、一般社団法人日本公園緑地協会が実施・認定する専門的な資格です。この資格制度は、近年の公園運営における指定管理者制度の導入拡大という社会背景を受け、公園の適切な管理と効果的な運営を担う高度な専門知識と実務能力を持つプロフェッショナルを育成し、その力量を公的に証明することを主な目的としています。具体的には、公園管理事務所長など、現場における実務責任者レベルの知識・スキルを有することが期待される人材を対象としています。

この資格の事務局は、平成24年度に旧公園緑地管理財団（現在の一般財団法人公園財団）から一般社団法人日本公園緑地協会へと移管されました。

受験資格と試験概要

公園管理運営士認定試験を受験するためには、原則として受験年度の4月1日時点で満27歳以上である必要があります。

試験は、専門知識を問う一次試験と、より実践的な能力を評価する二次試験の二段階で行われます。試験の難易度を示す指標として、平成26年度のデータでは、一次試験の合格率が約52.2％、二次試験の合格率が約84.8％であり、総合合格率は約44.2％となっています。これは、一定の専門性と経験が求められる資格であることを示しています。

一次試験

一次試験は筆記形式で実施され、多肢選択問題と論述式の小論文から構成されます。ここでは、1級・2級造園施工管理技士が習得するレベルの幅広い知識が求められます。具体的には、樹木や草花などの植物学に関する知識、造園の設計や施工に関する基礎技術、さらには公園運営に関連する法令（都市公園法など）、維持管理手法、利用促進のための知識など、多岐にわたります。

試験は例年7月の第4土曜日に実施され、主要都市である札幌、東京、大阪、福岡の各会場で行われます。

二次試験

二次試験は、公園管理運営に関する実践的なスキルを評価するための講習、グループディスカッション、そして修了試験が実施されます。知識だけでなく、コミュニケーション能力や問題解決能力、応用力などが試されます。

試験は例年11月の第4土曜日・日曜日、もしくは12月の第1土曜日・日曜日に行われ、会場は東京および大阪です。

資格の更新制度

公園管理運営士の資格は、一度取得すれば永続するものではなく、継続的な学習と研鑽が義務付けられています。これは、公園管理運営を取り巻く環境が変化し続ける中で、常に最新の知識や技術に対応できる専門家であり続けるために重要な制度です。

資格を維持し更新するためには、造園CPD（継続教育）制度において合計125単位以上を取得するか、または6時間程度の更新講習を受講する必要があります。

関連する試験

かつて、現在の一般財団法人公園財団の前身である旧公園緑地管理財団が実施していた「緑・花文化の知識認定試験」があります。この試験は平成21年度をもって終了しましたが、その後継としてウェブ形式の「咲いとWEB」が展開されています。

公園管理運営士試験の一部には、この旧試験と共通するような植物や文化に関する問題が出題されることがあり、広義には公園緑地に関する知識普及という点で関連性を持つ試験と見なすことも可能です。旧緑・花文化の知識認定試験には認定、ジュニア認定の区分があり、特級から5級まで等級が設けられていました。

まとめ

公園管理運営士は、激動する社会状況の中で、地域住民にとってかけがえのない空間である公園を適切かつ魅力的に管理・運営するために不可欠な、高度な専門知識と実務能力を証明する資格と言えます。この資格を持つことは、公園管理分野におけるプロフェッショナルとしての信頼性を示すものとなります。

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