公正取引協会

公益財団法人公正取引協会

公益財団法人公正取引協会（こうせいとりひききょうかい）は、わが国の経済活動における公正かつ自由な競争環境を維持・促進するため、独占禁止法およびこれに関連する各種法令について、広く社会への普及・啓発活動を行うとともに、事業者の皆様がこれらの法律を正しく理解し、遵守できるよう支援することを目的として活動する公益財団法人です。当協会は、独占禁止法分野における専門的な研究機関としての役割も果たしています。

設立の経緯

当協会の設立は、戦後間もない1950年1月18日に実現しました。公正な経済秩序の確立が喫緊の課題であった当時、公正取引委員会がその設立を発案しました。この公正取引委員会の発意を受け、当時の公正取引委員会委員長をはじめ、関係省庁の担当者、経済界を代表する人々、そして学術界の有識者など、幅広い分野から集まった有志が設立の発起人となりました。設立当初から掲げられた目的は、「独占禁止法その他の経済関連法規に関する調査、研究、普及」であり、この理念は現在に至るまで協会の活動の根幹を成しています。

主な活動内容

設立以来、公正取引協会は「調査」「研究」「普及」という三つの柱を中心に、多岐にわたる活動を展開しています。

活動の中心の一つが、独占禁止法および関連法令に関する情報の普及・啓発です。これを実現するため、当協会は様々な出版物を定期的に発行しています。例えば、独占禁止法に関する最新の動向や論点を掘り下げる専門誌『月刊公正取引』は、この分野の実務家や研究者にとって不可欠な情報源となっています。また、公正取引委員会が行った審決や排除命令を集めた『公正取引委員会審決集』、『公正取引委員会排除命令集』、委員会の年間の活動をまとめた『公正取引委員会年次報告』といった公的な資料の刊行も手がけています。さらに、公正取引委員会事務総局が編集した『独占禁止法関係法令集』や、複雑な法規の内容を分かりやすく解説した実務書なども多数刊行しており、これらの出版物は法令の正確な理解と適切な運用に大きく貢献しています。

また、当協会は事業者の法令遵守を強力に支援するためのサービスも提供しています。有料の会員制度を設け、会員企業や個人に対しては、独占禁止法に関する専門的な解説を行う講座やセミナーを企画・開催しています。協会の発行する出版物の提供、社内研修のための専門家講師の派遣、最新の法令改正情報や実務に関する情報提供など、会員の実務上のニーズに応じた多様なサポートを行っています。

さらに、協会は独占禁止法に関する専門的な調査・研究活動にも注力しています。国内外の競争法制度や運用実態に関する比較研究、特定の産業分野における競争状況の分析などを行い、その成果を様々な形で発表することで、競争法に関する学術的知見の深化と社会全体のリテラシー向上に貢献しています。

所在地および役員

公益財団法人公正取引協会は、東京都港区赤坂1丁目4番1号の赤坂KSビル2階にその事務局を構えています。現在の会長は山田昭雄氏が務めています。また、協会運営においては、副会長である舟田正之氏をはじめ、多くの関係者が重要な役割を担っています。

関連情報

当協会の活動や刊行物に関するより詳しい情報は、公式サイト（公益財団法人公正取引協会）にてご確認いただけます。公正取引協会は、これらの多岐にわたる活動を通じて、日本経済の健全な発展を支える公正な競争秩序の維持に寄与し続けています。

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