公行

公行の概念と歴史

公行（こうこう）は、清代中期から後期にかけて中国の広州で存在した商業組織であり、特に西洋諸国との貿易において重要な役割を果たしました。この組合は約100年間にわたって広州の貿易をほぼ独占し、その影響力は非常に大きなものでした。

公行の成立背景

康煕59年（1720年）、西洋諸国との貿易が許可されていた一部の商人によって公行が設立されました。設立の目的は、貿易をより効率的に行うためのものであり、当初は十六の行商が参加し、交易の基準となる十三条の約款を策定しました。この約款は、新しい業者が公行に参加するための条件や、既存のメンバーが公行に貢献する義務を定めたもので、特に新規加入者には一千両銀の投資が求められました。また、参加商人は取引で得た利益の3%を「公所費」として拠出することが義務付けられました。

公行の役割

公行は商業組織であるものの、その発足には清朝の海関の監督からの承認がありました。そのため、朝廷から見れば西洋商人との貿易の窓口のような存在であり、彼らは公行を通じて広州での関税を徴収しました。このように、清朝政府にとっては公行が貿易を円滑に運営するための重要な機関でした。

しかし、他の商人たちや西洋商人からの反発もあり、設立からわずか1年後の康煕60年（1721年）には一度解散となります。この解散は、特定の商人のみが得られる利益と、すべての商人が公平に貿易を行う権利との間に生まれた摩擦によって引き起こされたものでした。

再興とその後

公行は、乾隆25年（1760年）に再び復活しましたが、乾隆36年（1771年）には再度解散します。その後、乾隆47年（1782年）に再興するものの、最終的に道光22年（1842年）にはアヘン戦争後の南京条約によってその存在は終わりを迎えました。この条約は、西洋との貿易関係を大きく変革するものであり、公行の重要性が低下したことが背景にあります。

公行の影響

公行は、中国と西洋諸国との貿易関係において重要なブローカーとしての役割を果たしました。この組織は、商人の倫理や貿易のルールを定めることで、一定の秩序を保っていましたが、その独占的な性質は常に議論の的でありました。また、公行は広東地方における商業文化や経済に影響を与え、多くの商人が集まる重要な存在でもあったのです。

このように、公行はその設立から廃止まで、中国と西洋との貿易史において重要な位置を占めていました。厳格な規約と特権を持つこの組合は、商業活動が発展する中でさまざまな課題と向き合いながら、その存在感を示し続けました。

もう一度検索