公設市場

公設市場とは

公設市場は、公共機関が所有・管理する市場のことを指します。日本では、主に小売市場がこの呼称で知られています。公設市場には、卸売市場と小売市場の2つの形態があり、両者を兼ね備えた設定も存在しますが、一般的には公設の小売市場のことを指します。本記事では、日本における公設小売市場の具体的な事例と、その歴史について詳しく解説します。

歴史

日本初の公設小売市場は1918年4月15日、大阪府大阪市に開設された「大阪市設小売市場」とされています。この設立は、全国的に発生した米騒動を受けて、適正な価格での食品流通を図るためのものです。同年の8月には、愛知県名古屋市や京都府京都市においても市場が設けられる等、公設市場は急速に全国に広がりを見せることとなりました。同年12月には内務省から小売市場設置の奨励が発表されます。

1920年時点では、日本の六大都市に109か所の公設市場（卸売市場を含む）が存在しており、その中でも東京には70か所、神奈川県横浜市に6か所などがありました。

主要な公設市場の例

名古屋市

名古屋市には、築地、元古井、牧野、徳川、大高、南陽の6つの公設市場があります。これらの市場は、地域の食料供給の重要な役割を果たしています。たとえば、築地公設市場は1919年に設置され、その後1963年に改築されました。徳川公設市場は1925年に設立され、その後も改装を重ねながら現在でも営業を続けています。名古屋のこれらの市場は、地域住民の生活を支える場としての役割を持っています。

京都市

京都市でも公設市場が開設され、かつては16か所存在しましたが、すでに全てが年輪しており、現在は民営のスーパーマーケットに移行しています。最後まで残っていた北野、田中、深草の各市場は、時代の流れとともに変化し、2006年までにその役割を終えました。

大阪市

大阪市には、1918年の設立以来、恒久的な公設市場のシステムが確立されました。最初に開設された4つの市場が、米騒動の影響でその重要性を認識され、以降多数の市場が設けられ、1942年には55市場となりました。しかし、消費者の嗜好の変化や新しい業態の店舗の競争などの影響で、平成以降に大幅な見直しが行われ、現在の形に至っています。

公設市場の現状

近年の公設市場は、様々な変化に直面しています。消費者のニーズが多様化し、スーパーマーケットやオンラインショップとの競争が激化しているため、これまでの営業形態を再考する必要があります。また、公設市場を支えるための制度や条例の整備も進められています。

まとめ

公設市場は、地域社会にとって重要な食料供給の場でありますが、時代の変化に適応する必要が求められています。今後も地域のニーズに応じた運営を行うことが、公設市場の存続と発展の鍵となるでしょう。

もう一度検索