六曜社 (喫茶店)

六曜社（ろくようしゃ）

六曜社は、京都市中京区大黒町に位置する老舗の喫茶店で、河原町三条交差点の近くにあります。この店舗は1950年に地下でオープンし、その後1階に移転しましたが、地下のスペースはバーに改装されています。1985年頃からは、地下のバーも自家焙煎コーヒーの店として営業を開始し、訪れる多くの客に愛される場所となっています。

1階の店舗には「六曜社珈琲店」、地下の店舗には「六曜社地下店」という名称が掲げられ、訪れる人々の目を引きます。特に、地下店は静かな雰囲気の中で自家焙煎コーヒーを楽しむことができ、地元の人々はもちろん、観光客にも人気があります。

この店舗は、著名なシンガーソングライター、高田渡が京都に住んでいた頃に頻繁に訪れていたことでも知られています。彼の友人である豊田勇造は、その経験を基に楽曲「コーヒーブルーズ」を作曲しました。この楽曲では、六曜社での待ち合わせの思い出が歌われており、店の歴史と文化を感じさせる要素となっています。

長年にわたり地下店のマスターを務めるオクノ修（奥野修）は、シンガーソングライターとしても活躍しており、彼の経営する店の雰囲気には独自の温かい魅力があります。オクノ氏は店舗での経験を通じて、多くの人々との交流を深め、音楽だけでなく、コーヒー文化にも貢献しています。

2010年6月17日には、近隣で発生した火災により、消火活動の放水によって店舗が水浸しになる影響を受け、しばらくの間休業を余儀なくされました。しかし、六曜社はその後も復旧し、多くのファンに支えられながら営業を再開しました。

2020年9月、京阪神エルマガジン社からは「京都・六曜社三代記 喫茶の一族」という書籍が刊行され、六曜社の歴史や文化が広く知られることとなりました。この書籍は、店舗の成り立ちや顧客との交流、コーヒーの魅力を丁寧に紹介しており、喫茶店好きには必見の一冊です。

六曜社は、ただの喫茶店ではなく、京都の歴史や文化が息づく場所です。訪れることで、古き良き時代の香りを感じることができ、また、そこで出会う人々との交流も、六曜社に訪れる楽しみの一環となっています。

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