六榕寺

六榕寺は、広東省広州市越秀区に位置する歴史ある仏教寺院です。広州市内で最も古い建築物の一つである「六榕花塔」があることで知られ、1997年には広州市の十大観光名所にも選ばれました。寺の近くには広州将軍府があり、珍妃姉妹が幼少期を過ごした場所としても知られています。

歴史

六榕寺は、南北朝時代の南朝梁の大同3年（537年）に創建され、当初は宝荘厳寺という名前でした。寺の名前が変わったのは、北宋時代の政治家であり、詩人、書家としても名高い蘇軾が広州（当時は恵州と呼ばれていました）に左遷されたことがきっかけです。蘇軾がこの寺を訪れた際、境内にあった六本の榕樹の美しさに感銘を受け、「六榕」と書いたことから、以後、六榕寺と呼ばれるようになったと伝えられています。

創建後、六榕寺は北宋時代に一度全焼しましたが、その後再建されました。寺の中心にそびえ立つ「千仏塔」、通称「花塔」は、紹聖4年（1097年）に建てられました。この塔が「花塔」と呼ばれるようになったのは、その外観が花弁が重なり合った花のようであり、塔の頂点が花弁に似ていること、そして塔の外面の色彩が豊かであることが理由です。当初、花塔の基部は正方形でしたが、紹聖4年の再建時に現在の八角形となりました。明朝前期の火災後、洪武6年（1373年）に再び再建され、光緒25年（1900年）にも修復が行われています。

拝観料

六榕寺の拝観料は、大人が5元です。子供とシニアは無料で入場できます。10人以上の団体の場合、一人4元となります。花塔への入場には別途10元が必要ですが、塔の最上階まで登ることができ、広州市内の景色を一望できます。

逸話

六榕寺の周辺には在広州外国領事館が点在していることから、広州を訪れる外国人家族の間で、中国人の子供を国際養子として迎え入れる際に、望み通りの養子縁組が叶うように六榕寺の観音菩薩像に祈るという習慣があります。この習慣は、六榕寺が単なる観光名所としてだけでなく、人々の願いを託す場所としても重要な役割を果たしていることを示しています。

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