六甲島検車場

六甲島検車場（ろっこうじまけんしゃじょう）は、兵庫県神戸市東灘区に位置する神戸新交通六甲アイランド線の車両基地です。この施設は、六甲ライナーとして親しまれている路線の運営において中心的な役割を担っており、車両の保守、検査、そして修繕作業が集中的に行われています。

この検車場は、六甲ライナーの終着駅であるマリンパーク駅のさらに奥まった場所に設けられています。広大な敷地を有しており、東西方向におよそ349.0メートルの長さがあります。敷地の幅は場所によって異なり、西側に位置する検車場エリアでは最大で75.0メートルの広がりを見せる一方、東側の車両が出入りする線路付近では最小で36.0メートルとなっています。

施設内には、車両の健康状態を維持するための様々な検査機能が備わっています。日常的な点検が行われる検車場では、月ごとに行われる月検査や、運行に先立って実施される列車検査などが実施されます。構内の線路配置は効率を重視しており、出入庫と列車検査を同時に行える「出入庫検査線 - 列車検査線（列検線）」が2本、同じく出入庫と臨時の点検に用いられる「出入庫検査線 - 臨時検査線（臨検線）」が1本、そして毎月の詳細な点検を行う「月検査線（月検線）」が1本配置されています。

より大がかりな車両のメンテナンスは、定期検査場（定検場）で行われます。ここでは、数年に一度実施される車両全体の「全般検査」や、安全走行に不可欠な主要部分の「重要部検査」などが周期的に実施されます。これらの専門的な作業は、外部の協力会社に委託されており、具体的には川崎車両の関連会社である川重車両テクノが車体全体の検査や修繕を担当し、台車の詳しい整備についてはJR西日本テクノスが行っています。定期検査場には、車両を部分的に分解・組み立てするための「解ぎ装線（工場線）」が1本設けられています。

これらの主要施設のほかにも、構内には多様な用途の線路が存在します。定期検査場の北側には、手作業で車両を洗浄するための「手洗浄線（洗浄線）」が1本と、検査待ちや待機車両を置くための「北留置線」が2本あります。また、構内の東側エリアには、南側から順番に、検査・修繕後の車両の性能を確認するための「試走線」が1本、車両を留めておく「南留置線」が1本、車両が構内を出入りするための「出入庫線」が2本（構内専用）、車両を自動で洗浄する装置を備えた「自動洗浄線」が1本、そして構内で車両を移動させるための「入換線」が1本配置されています。

現在の六甲島検車場は、4両編成の列車に対応できる構造になっています。しかし、将来的な六甲アイランド線の利用者増加などに備え、車両編成を6両に増強することも見据えられており、そのための十分な用地があらかじめ確保されています。将来的に6両編成化が実現した場合、最大で12本の6両編成列車、合計で72両の車両を収容できる設計となっています。

この検車場には、現在六甲アイランド線で活躍している神戸新交通の1000形車両と3000形車両が配置されています。六甲島検車場は、これらの車両を適切に管理・保守することで、六甲ライナーの安全で安定した運行を日夜支えている重要な施設です。

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