共同の部隊 (自衛隊)

共同の部隊

共同の部隊とは、陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊の各自衛隊が連携し、統合運用を行うために編成される特別な部隊です。これらの部隊は、防衛大臣の直轄下に置かれ、自衛隊法および自衛隊法施行令によってその組織や権限が定められています。

概要

従来の自衛隊には、「共同の機関」として自衛隊病院や自衛隊体育学校などが存在していました。しかし、より緊密な統合運用の必要性から、2007年の自衛隊法改正により「共同の部隊」という制度が設けられました。これにより、陸海空各自衛隊がより一体となって任務を遂行できる体制が整備されました。

法的根拠

共同の部隊の設置根拠は、自衛隊法第21条の2に明記されています。同条では、防衛大臣直轄部隊（一部を除く）について、統合運用による円滑な任務遂行のために一体的運営が必要な場合に、共同の部隊として設置できると定めています。また、自衛隊法施行令第30条の16から23には、具体的な部隊の編成や長の人事などが規定されています。

指揮系統

共同の部隊の運用に関する防衛大臣の指揮は、統合幕僚長を通じて行われます。防衛大臣の命令は統合幕僚長が執行し、部隊に対する指揮監督は防衛大臣の定めるところによります。

主な共同の部隊

現在、以下の部隊が共同の部隊として編成されています。

統合作戦司令部
自衛隊の統合運用の中枢を担う組織で、陸海空各自衛隊の部隊を指揮し、防衛大臣の命令を実行します。
自衛隊情報保全隊
自衛隊の情報保全に関する任務を遂行する部隊です。情報漏洩の防止や情報セキュリティの確保などを担当します。
自衛隊サイバー防衛隊
サイバー空間における防衛を専門とする部隊です。サイバー攻撃の防御や情報システムの保護などを担当します。
自衛隊海上輸送群
自衛隊の海上輸送を専門とする部隊です。人員や物資の輸送を担います。

統合作戦司令部について

統合作戦司令部は、共同の部隊の中核となる組織です。司令官は、陸将、海将、または空将が務め、防衛大臣の指揮監督を受けながら部隊を統括します。統合作戦司令部には、副司令官や幕僚長が配置され、司令官を補佐し、部内の事務を整理します。内部組織は防衛省令で定められています。

過去に存在した共同の部隊

過去に存在した共同の部隊については、詳細な記録が残されていないため、不明な点が多いです。

まとめ

共同の部隊は、自衛隊がより効果的に任務を遂行するために不可欠な存在です。陸海空各自衛隊の連携を強化し、多様化する安全保障上の課題に対応するための重要な役割を担っています。

外部リンク

自衛隊法（昭和29年法律第165号） - e-Gov法令検索
自衛隊法施行令（昭和29年政令第179号） - e-Gov法令検索

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