共和党全国大会

共和党全国大会（Republican National Convention）

共和党全国大会、通称RNCは、アメリカ合衆国において4年ごとに行われる大会であり、主な目的は同党の大統領候補を選出することです。この大会は通常、夏の時期に開催され、共和党全国委員会の招集によって代議員達が集まります。大会では、党の基本方針が示される政策綱領が策定され、最終的には過半数の支持を得た候補がその年の大統領候補として指名される仕組みです。また、選出された候補者は大会中に副大統領候補も指名し、いよいよ本選挙に臨むことになります。

歴史的には、最初の共和党全国大会は1856年にペンシルベニア州のピッツバーグで開催されました。1990年代以降、テレビでの中継も一般的になり、初めてNBCの放送が行われたのは1940年のことでした。特に2004年にはニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデン周辺が共和党大会の会場として活気に満ち、多くの人々の注目を集めました。2008年はミネソタ州のエクセル・エナジー・センターで開催され、2012年にはフロリダ州のセント・ピート・タイムズ・フォーラムで行われました。

特に2020年の大会は、新型コロナウイルスの影響により、ノースカロライナ州シャーロットでの予定からオンライン開催に切り替えられました。この際には、ドナルド・トランプが再び大統領候補として指名されました。

2016年の共和党全国大会は、オハイオ州クリーブランドのクイックン・ローンズ・アリーナで開催され、トランプ氏が堂々と登壇したことが大いに話題となりました。一方で、かつての共和党の大物、ジョージ・H・W・ブッシュやジョージ・W・ブッシュなど、民主党候補への投票を公言した影響で、過去の大統領候補の欠席も目立ちました。また、大企業の中にはスポンサードを辞めるところも多く見られるなど、党内の分裂感が浮き彫りになりました。

大会のステージには、PayPalの創業者ピーター・ティールが登場し、同性愛者であることをカミングアウトしながらも、共和党員からの温かい拍手を受けるシーンも印象的でした。このことは、文化戦争への批判やトランプ氏のポリシーと合致する部分もあり、支持を集める要素となったと言えます。

そのほか、インディアナ州知事のマイク・ペンス、元ニューヨーク市長のルディ・ジュリアーニ、ニュージャージー州知事のクリス・クリスティ、そして眼科医のリサ・シンなどさまざまなスピーカーが熱弁を振るいました。大会のフィナーレでは、トランプ氏が約75分に及ぶ指名受諾演説を行うなど、見る者を飽きさせない進行がなされました。これは過去40年間の中で最も長いスピーチの一つとされました。

また、2016年大会の運営総責任者はアジア系の女性マルシア・リー・ケリーが担い、会場の安全性やボランティアの手配、さらにはごみ回収の体制を1年前から整え、準備を進めました。このように、共和党全国大会は歴史的背景と文化的な側面を持つ一大イベントであり、その成果や問題を通してアメリカ合衆国の政治の動向を映し出す役割を果たしています。

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