兵庫県立淡路景観園芸学校

兵庫県立淡路景観園芸学校

兵庫県淡路市野島常盤に位置する兵庫県立淡路景観園芸学校は、平成10年兵庫県条例第36号に基づき設立された教育・研究機関です。1999年（平成11年）4月に開校しました。

この学校の最も大きな特色は、日本の学校教育法に定められていない、園芸分野における実践的な専門教育を唯一提供している点にあります。緑豊かな環境と景観を創造・管理・活用できる専門家の育成を目指しています。学校のスタッフである教授、准教授、講師陣は、兵庫県立大学自然・環境科学研究所景観園芸系の教員も兼任しており、大学との連携体制が構築されています。

また、本校に隣接して兵庫県立大学大学院緑環境景観マネジメント研究科（専門職）が設置されており、高度な専門知識と実践能力を持つ人材育成を共同で行っています。

主な機能

兵庫県立淡路景観園芸学校は、社会のニーズに応えるために多様な機能を有しています。

人材養成機能
景観園芸専門課程：大学卒業以上の学歴を持つ方を対象とした全寮制の2年制課程です。景観園芸分野の高度な知識と技術を習得し、専門家として活躍できる人材を育成します。入学には小論文、英語、及び実技を含む試験が課されます。
園芸療法課程：医療・福祉関連の国家資格を有する方、大学卒、または造園・園芸分野の短期大学・専門学校卒などを対象とした1年制課程です。園芸の持つ癒しの力を活用し、人々の心身の健康回復や生活の質の向上に貢献できる専門家を養成します。書類審査、面接、筆記試験などを通じて選考が行われます。
景観園芸専門研修：既に実務に携わっている方や大学院生などを対象とした研修プログラムです。課題解決型研修は1ヶ月から12ヶ月の間で柔軟に期間を選択でき、科目履修型研修は4ヶ月間で特定の分野を集中的に学ぶことができます。

生涯学習機能：地域住民や園芸に関心のある人々が、学びを通じて豊かな生活を送れるよう支援しています。「まちづくりガーデナーコース」として、本科コース、体験コース、テーマコースなどが提供されています。

調査研究機能：園芸や景観に関する幅広い分野での調査研究を推進しています。園芸文化・生活、景観植物資源、景観デザイン、景観マネジメントの4部門を中心に、緑地空間のあり方、地域づくりの方法論、自然と都市の調和を生む先導的なデザイン技術など、多岐にわたるテーマに取り組んでいます。

情報発信機能：本校で行われた教育、研究、研修などの成果や、園芸・景観に関する有用な情報を積極的に発信し、知識の普及と共有を図っています。

産業振興機能：学校の専門知識や技術、ネットワークを活かし、淡路地域をはじめとする兵庫県内の園芸関連産業や地域産業の振興に貢献しています。

兵庫県立大学大学院緑環境景観マネジメント研究科

兵庫県立淡路景観園芸学校の景観園芸専門課程を発展させる形で、2009年4月に開設されたのが、兵庫県立大学大学院緑環境景観マネジメント研究科です。これは、緑環境や景観の分野では日本で初めての専門職大学院として設立されました。

専門職学位課程は2年間で、修了者には「緑環境景観マネジメント修士（専門職学位、Master of Landscape Design and Management）」の学位と、「兵庫県景観園芸士」の称号が付与されます。実践的な教育に重点が置かれており、高度な専門性と応用能力を備えた人材を育成します。

教育領域は、共通科目の他に、特定の専門分野を深く学ぶための領域が設けられています。

保全管理領域
活用デザイン領域
施策マネジメント領域

これらの領域に基づき、以下のような部門と専攻分野が提供されています。

緑文化・生活部門：観賞園芸、園芸療法
景観植物資源部門：造園樹木、プランティングデザイン
景観デザイン：ランドスケープデザイン、ランドスケープエンジニアリング
* 景観マネジメント：ランドスケーププランニング、花と緑のまちづくり

兵庫県立淡路景観園芸学校と兵庫県立大学大学院緑環境景観マネジメント研究科は連携し、園芸と景観に関する教育、研究、社会貢献活動を通じて、より豊かな緑環境と美しい景観の創造に貢献しています。

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