兵庫県道521号道谷三方線

兵庫県道521号道谷三方線とは

兵庫県道521号道谷三方線（ひょうごけんどう521ごう どうだにみかたせん）は、兵庫県宍粟市内に位置する一般県道です。この路線は、宍粟市北部の波賀町から南東部の一宮町へと、山間部を縫うように縦断しており、地域の拠点間を結ぶ重要なアクセス路の一つとなっています。

路線の概要

この県道は、宍粟市波賀町道谷を起点とし、宍粟市一宮町三方町を終点としています。起点の波賀町道谷では、兵庫県道48号大屋波賀線に接続しており、山間部の集落へのアクセスを担っています。一方、終点の一宮町三方町では、三方町交差点において国道429号と交差しており、幹線道路への接続を果たしています。また、終点付近のごく短い区間においては、兵庫県道428号森添三方線がこの県道と重複しています。路線の総延長は17.281キロメートルです。

特徴的な道路状況

兵庫県道521号道谷三方線の最も特徴的な点は、その区間によって道路状況が大きく異なることです。

終点である一宮町三方町に近い区間、具体的には三方町交差点周辺では、比較的整備が進んでおり、片側一車線が確保されています。この区間は、地域の生活道路として日常的に多くの車両が通行しており、比較的スムーズな交通が可能です。

しかしながら、起点の波賀町道谷から一宮町三方町へ向かう山間部を通過する大部分の区間においては、道路状況は一変します。この区間は、舗装が施されていない未舗装路となっており、路面状況が悪化しやすい特徴があります。さらに、道路の幅員も非常に狭く、普通乗用車や軽自動車といった小型車一台がようやく通行できる程度の道幅しかありません。対向車とのすれ違いが極めて困難であるため、通行には細心の注意が必要となります。このような狭隘な未舗装区間は、特に悪天候時や夜間には通行の難易度が増し、利用者を限定する要因ともなっています。大型車両の通行は事実上不可能に近いと言えるでしょう。この厳しい山越えの区間は、この県道が有する最も顕著な性質を示しています。

通過する自治体と他の道路との接続

この兵庫県道521号道谷三方線が通過する自治体は、兵庫県宍粟市のみです。起終点ともに宍粟市内に位置しており、市内の地域間を結ぶ重要な役割を担っています。

他の主要な道路との接続に関しては、起点の宍粟市波賀町道谷で兵庫県道48号大屋波賀線と、終点の宍粟市一宮町三方町では国道429号および兵庫県道428号森添三方線と交差または接続しています。

沿線に存在する主な施設

路線の沿いには、地域の暮らしや教育を支えるいくつかの施設が存在します。一宮町三方町の終点近くには、地域の郵便業務を担う三方郵便局があります。また、地域の子供たちが学ぶ場として、宍粟市立一宮北小学校や宍粟市立一宮北中学校といった学校施設もこの県道の近くに位置しており、通学路としても利用されています。これらの施設は、この県道が単なる山間の道としてだけでなく、地域の生活空間に密接に関わっていることを示しています。

まとめ

兵庫県道521号道谷三方線は、兵庫県宍粟市内の波賀地域と一宮地域を結ぶ全長約17.3キロメートルの一般県道です。終点付近は比較的整備されていますが、大部分を占める山間部には未舗装で狭隘な区間が存在するため、通行には十分な注意が必要な、その名の通り山深い地域を結ぶ特徴的な路線です。地域の生活を支えつつも、自然環境と向き合う性格を強く持った県道と言えるでしょう。

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