内山義英 (エンジニア)

内山義英について

内山義英（うちやま よしひで）は、1957年8月25日に静岡県静岡市で生まれた日本の構造技術者であり、研究開発コンサルタントです。彼は竹中工務店技術研究所のチーフエンジニアとして、また様々な研究機関や企業の構造工学における重要な役割を担ってきました。

学歴と初期の経歴

彼は静岡県立静岡高等学校を卒業後、京都大学の工学部建築学科に進学しました。建築を学ぶ中で、彼は「明快で割り切れる」という理由から構造工学を選び、鉄骨構造系の研究室に進みました。大学院では、鉄骨構造の形式や材料に関する研究を行い、修士論文では鋼構造の疲労特性について詳しく探究しました。

1982年、竹中工務店に入社し、建築の構造と耐震防災技術の分野で活動を開始しました。彼のキャリアの中で、特に印象的な業績の一つが、1994年に開発した「立体架構弾塑性解析システム」です。このシステムにより、建物架構を三次元でモデル化し、高速演算を通じて時刻歴応答解析が可能となり、1995年の阪神淡路大震災での建物被害の解析に大いに貢献しました。

免震技術の革新

内山は、引抜き抵抗を持つ免震装置「高強度積層ゴム」の開発に成功し、この技術を用いた超高層免震構造の実用化を進めました。1996年にはこの技術を活用した超高層ビル「パークシティ杉並セントラルタワー」が完成し、2000年には世界初の地上100mを超える免震ビル「元麻布フォレストタワー」が竣工しました。その後、竹中工務店を退職した内山らは2012年に静岡地震防災研究会を設立し、津波防波堤「メガウォール」を開発しました。

研究と著作

内山は、22件の特許出願および12件の特許登録を有しており、その中には「ハイブリッド型制振方法及び制振構造物」や「制震構造部材」といったものがあります。また、彼は多数の論文を発表しており、建築学会などでの発表が目立ちます。

著作もいくつかあり、『1兆円市場を拓いた男』(2008年)や『1番になるビジネス創造力』(2011年)といったビジネスや技術に関する書籍を出版しています。

未来への展望

2017年の時点で静岡地震防災研究会の代表を務めている内山は、自然災害に対する備えを強化し、地域コミュニティに対する地震予知サービス「予知するアンテナ」を導入し、時期や規模を予測して地震の情報を提供しています。彼の活動は、構造技術者としての枠を超え、地域社会への貢献を意識したものとなっています。今後も、地震防災や構造工学分野での革新的な取り組みが期待されています。

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