内廷費

内廷費とは

内廷費（ないていひ）は、天皇およびその内廷に所属する皇族の日々の生活費やその他の目的に充てるために支出される公的な費用であり、皇室経済法に基づいています。この費用は特に第4条第1項の規定を根拠としています。

金額について

内廷費は皇室経済法施行法によって、毎年定額で支出されることになっており、1996年度以降は3億2400万円と定められています。これは変動のない金額であり、内廷[[皇族]]以外の皇族には異なる制度である皇族費が支給されます。つまり、内廷外の皇族には他に収入源があることを前提とした支給が行われており、結果として内廷費に比べて一人当たりの支出額は低く設定されています。

支出後の扱い

支出された内廷費は、宮内庁の経理に属する公金から実質的に「御手元金」という形に変わります。この状態になると、万が一余剰が生まれても返還の義務はなく、さらにこの支出には所得税や住民税が課せられません。

内訳の詳細

内廷費の使途については、過去の国会答弁で明らかにされており、主に人件費と物件費の2つに分かれます。約3分の1が人件費で、残りの3分の2が物件費に充当されるとされています。物件費には、食費や衣服費、研究にかかる経費、私的な交際費、御用邸への旅行経費、さらに宮中で行われる神事にかかる支出などが含まれます。1990年の国会答弁では、内訳がより具体的に示され、例えば衣服や日用品に18%、食事及び厨房関連に13%、奨励金や交際費に9%、教育や研究に7%、宮中祭祀に8%、その他の雑費が11%であると説明されています。

金額の改定

内廷費は1996年度以降金額が変わらない一方で、戦後からバブル期にかけては何度かの金額改定が行われてきました。1968年に策定された懇談会指針では、国家公務員の給与改善率や消費者物価の上昇率を考慮し、定額が10%を超えた場合には改定することが規定されました。また、予備費として1割の加算が認められ、ある程度の余裕を持たせることも定められています。

皇室経済会議

内廷費や皇族費に関する重要な事項を審議するために、皇室経済会議が設置されています。この会議は、衆参の議長、副議長、内閣総理大臣、財務大臣、宮内庁長官、会計検査院の長の計8人で構成され、内閣総理大臣が議長を務めます。会議の主要な役割には、皇族の独立生計の認定や、皇族費の一時金の決定、内廷費や皇族費の定額変更の必要性に関する意見提出などが含まれています。

現在の議員

2024年（令和6年）7月5日現在の議員は、今後も皇室経済に関する重要な判断を下すことが求められています。内廷費に関する理解は、皇室の財政運営の透明性を高めるためにも重要な要素となります。

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