内船寺

内船寺: 山梨県の伝統と歴史を受け継ぐ寺院

内船寺（ないせんじ）は、山梨県南巨摩郡南部町に位置する日蓮宗の寺院です。この寺院は日蓮聖人から「日本国第一之法華経之信者」と称えられた四條金吾頼基に関わる重要な場所であり、山号は正住山（しょうじゅうさん）、旧本山は身延山久遠寺に属しています。近隣には夫妻の墓もあり、その地には深い宗教的な意義が込められています。

寺院の歴史

内船寺の歴史は1273年に遡ります。この年、日蓮聖人が身延山に入山した際、四條頼基が自らの邸宅内に持仏堂を建立しました。これが内船寺の始まりとされています。1285年には自宅を改建して寺院とし、当初は四條山正住坊という名前で呼ばれていました。その後、寺内は何度か移転を経て、現在の地に定住することとなります。

歴史の中で、内船寺は幾度かの火災に見舞われました。寛政年間には一度、安政年間には二度の火災が発生しており、現在見られる本堂や庫裡は1855年に再建されたものです。このような歴史を持ちながらも内船寺は信仰の中心としての役割を果たしてきました。

また、四條頼基はその医学に精通していたことでも知られています。寺院には彼の伝来の漢方薬調合法を刻んだ小梵鐘が伝わっており、これは貴重な寺宝として大切にされています。

文化的な側面

近年では、2017年に公開された映画『あさひなぐ』のロケ地として注目されました。映画の主題歌を歌う乃木坂46のメンバーもこの寺院を訪れ、ヒット祈願を行ったことから、ファンにとっても思い出深い場所となっています。このように内船寺は、古くからの信仰の場であるだけでなく、地域文化や現代のエンターテインメントとも深く結びついています。

アクセスと周辺情報

内船寺の所在地は「内船」であり、地元では「うつぶな」と読みます。寺院の周囲には、6月にあじさい祭りが催される「うつぶな公園」が存在し、多くの観光客が訪れるスポットとなっています。

交通手段としては、身延線の内船駅から徒歩約15分、車では約5分の距離です。たどり着くまでの道中は、自然の美しさや地域の風景を楽しむことができるでしょう。

内船寺は、長い歴史と多様な文化が交差する場所であり、訪れる人にとって特別な意味を持つ寺院です。

もう一度検索