内藤哲雄

内藤 哲雄（ないとう てつお）

内藤哲雄は1948年3月生まれの日本の心理学者で、日本の心理学界においてその名を知られる存在です。特に、社会心理学と臨床心理学の分野で活躍しており、PAC分析（親、成人、子ども分析）の専門家でもあります。彼は信州大学の名誉教授として、心理学の研究と教育に多大な貢献をしてきました。

略歴

内藤は山口県下関市にて生まれました。その後、彼は早稲田大学第一文学部を1974年に卒業し、続いて同大学の大学院文学研究科に進学し、1976年に修士課程を修了します。1981年には博士課程の単位を取得後、退学しました。この年、彼は日本学術振興会の奨励研究員として研究に従事することとなります。

内藤は1984年に信州大学医療技術短期大学部に講師として務め始め、1986年には助教授、1991年には信州大学人文学部において助教授を務めることになります。1992年には同大学の人文学部教授に昇進しました。1997年には早稲田大学で博士号（人間科学）を取得し、さらにカリフォルニア大学アーバイン校で客員研究員としても活動しました。

彼のキャリアの中で2009年には信州大学人文学部教授と留学生センター長を兼任し、さまざまな役割を担っています。彼の研究と教育は、心理学の理解を深める助けとなっています。

主な著書

内藤は多くの著書を発表しており、それぞれが心理学の新しい視点を提示しています。1988年に共編著として出版された『人と人とのかかわりとしての教育心理学』は、人的関係における学習と教育の重要性を探ります。1995年には、自己カテゴリー化理論に関する書籍『社会集団の再発見』を共訳し、社会的アイデンティティの理解を深めました。

1997年には、PAC分析を紹介する『PAC分析実施入門』を発表し、この技法を通じて個人を科学的に分析する方法を解説しています。2001年には『心理臨床家のための「事例研究」の進め方』と『無意図的模倣の発達社会心理学』が続けて出版され、臨床心理学の現場での具体的な事例研究の重要性を説いています。さらに、2008年にはPAC分析に関する実践集を発行し、応用に力を入れています。

所属学会と受賞歴

内藤は日本心理学会や日本応用心理学会を含む複数の学会に所属し、その活動を通じて心理学の発展に寄与しています。特に彼は日本応用心理学会賞を2000年に受賞しており、これはPAC分析の研究によるものです。この受賞は彼の学問的な成果と貢献が評価された証と言えるでしょう。

内藤哲雄の研究は、心理学を学ぶ学生や専門家にとっての貴重なリソースとなっており、彼の作品を通じて多くの人が人間の心や行動に対する理解を深めています。

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