内贍寺

内贍寺の歴史と役割

内贍寺（ネソムシ）は、李氏朝鮮時代に設立された重要な官衙であり、主に宮殿への供物や酒、おつまみを供える役割を果たしていました。また、倭人や女真人に向けた食物や織物の提供も任務として含まれていました。このような機能を持つ内贍寺は、正三品の地位を有する官庁の一つとして位置づけられました。

設立と初期の役割

内贍寺の起源は、1403年の太宗3年に遡ります。この年、徳泉庫が改称され内贍寺となりました。この改称によって、新たに官衙としての活動が始まったのです。設立当初から、内贍寺は多くの大名や貴族たちに対して食物や芸術品の供給を担い、その存在意義は大きなものでした。

1414年には、内贍寺の職制が一部改編され、従三品職が設立されました。また、令および正の地位には尹、副令や副正には全て少尹が配置されることになり、組織運営がさらに強化されました。特に景気や外的要因に対して柔軟に対応するために、提調の数も見直され、1423年にはその人数が4人から1人に減少されました。

変遷と発展

内贍寺は、1460年には主簿と奉事がそれぞれ新たに1名ずつ配置され、さらに職務が強化されることとなりました。この年は内贍寺にとって重要な変化をもたらしたといえます。その後も、1571年には副正以下の職務が武官との兼職となるなど、さらに積極的な人材配置がなされました。

1640年（仁祖15年）には、内資寺が併合されて内贍寺の業務がさらに拡大し、様々な官僚制度が進展しました。

廃止とその影響

最終的に内贍寺は1882年（高宗19年）に廃止され、その長い歴史に幕を下ろしました。約500年にわたり、李氏朝鮮の文化や社会に貢献した内贍寺は、他の官庁と同様に時代の変遷に従い、役割や形態を変化させていきました。

廃止に至るまでの歴史を振り返ると、内贍寺は単なる食物供給の官庁ではなく、外部との交流や国際的な食文化の重要な拠点であったことが分かります。李氏朝鮮時代を語る上では欠かせない存在であり、その影響は今でも感じられる部分があります。

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