円乗院 (さいたま市)

円乗院の概要

埼玉県さいたま市中央区に位置する円乗院は、真言宗智山派の寺院です。その歴史は深く、1190年から1199年にかけて設立され、創建者は著名な武将、畠山重忠です。当初、この寺は武蔵国足立郡道場村に位置していましたが、1615年頃、賢明の手によって現在の地へと移転しました。1749年には「談林格」の寺格を得て、地域内での真言宗の中心的存在となりました。

歴史的な人物と地蔵堂

円乗院の地蔵堂には「送り地蔵」と呼ばれる地蔵菩薩像が安置されています。この像は、大宮宿で泥酔していた武士を見守っていたとされており、元々は武蔵国足立郡小村田村にある在林寺にありました。しかし、明治の初めに発生した廃仏毀釈の影響で、その寺は閉鎖され、後にこの円乗院に移された歴史があります。この地蔵像は室町時代前期に作られたものであり、地域の信仰と深い結びつきを持つ重要な文化財とされています。

境内の構造

円乗院の境内は、写真撮影が禁止されており、訪れる際には周囲の愛護を大切にする必要があります。境内の入口には、仁王門があり、その脇には写真撮影に関する注意書きが掲示されています。境内には様々な建物が点在しており、特に注目すべきは次の通りです：

• - 本堂：1926年に落成され、円乗院の中心をなす建物です。
• - 多宝塔：1981年に完成した、信仰のシンボルとなっています。
• - 五大尊：重要な仏教の尊像です。
• - 仁王門：1992年に建立された、境内への入り口の門です。
• - 安養の館：信者たちの拠り所を提供しています。
• - 万霊塔：1992年に改築され、故人を悼むための塔です。
• - 千代桜：エドヒガンの変種であるシダレザクラが植えられています。

文化財

円乗院は、文化財の宝庫でもあり、いくつかの指定文化財があります。以下はその一部です：

• - 圓乘院けまん：さいたま市指定有形文化財であり、昭和42年に指定されました。
• - 圓乘院朱印状：昭和56年に有形文化財として指定され、歴史的な価値が認められています。
• - 千代桜：天然記念物に指定され、昭和39年にその重要性が評価されました。

アクセス

円乗院は、JR与野本町駅から徒歩約7分の場所に位置しており、交通アクセスも良好です。訪れる際は、穏やかな地域の雰囲気を楽しみながら、静かなひとときを過ごすことができるでしょう。

参考文献

青木義脩、丹治健蔵著『埼玉ふるさと散歩（浦和市・与野市）』さきたま出版会、1992年

外部リンク

• - 圓乗院 - 公式サイト
• - 円乗院 - さいたま観光国際協会

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