円山公園 (京都府)

円山公園について

円山公園（まるやまこうえん）は、京都府の京都市東山区に位置する名勝であり、国に指定されています。公園の周囲には八坂神社や知恩院があり、歴史的な背景も持つ場所です。特に「祇園枝垂桜」が有名で、桜の名所として多くの観光客が訪れます。

歴史的背景

この公園は、明治維新以前は八坂神社（当時の名称は祇園感神院）やいくつかの他の寺院の境内の一部でした。明治4年（1871年）に土地が政府に没収されたことで、その後の1886年（明治19年）に約9万平方メートルの面積を持つ公園として整備されました。この時、公園は京都市により管理され、京都市初の都市公園となりました。園地計画は、著名な建築家である武田五一によって策定されました。

当初、人工鉱泉療養所やさまざまな娯楽施設が設置され賑わいを見せましたが、火災によってそれらは焼失しました。その後、1912年（大正元年）に小川治兵衛が池泉回遊式の日本庭園を作ることにより、現在の形に整えられました。

現在の施設

1927年（昭和2年）には、円山公園音楽堂が開堂され、約3000人を収容可能な屋外ホールとして利用されています。また、公園内には料亭や茶店、さらに坂本龍馬と中岡慎太郎の銅像も設置されています。この銅像の設立には、旧自由党員の今幡西衛らが尽力しました。公園内には雙林寺や西行庵、芭蕉庵といった歴史的な旧跡も点在しています。かつては乗馬場もありましたが、現在は利用されていません。

社会的な出来事

公園は長い間、地元の人々や観光客の憩いの場であると同時に、社会的な出来事の場としても機能してきました。1950年12月9日には、労働組合員や学生が集まり越年闘争総決起集会が開催され、警察との衝突が発生。多くの負傷者を出し、拘束者も多数にのぼりました。これにより、公園は注目される存在となりました。

枝垂桜の魅力

円山公園の枝垂桜は「一重白彼岸枝垂桜」という品種で、初代の木は1947年（昭和22年）に枯死しましたが、現在は2代目が植えられています。桜の花見シーズンには、特にライトアップが施され、深夜でも多くの花見客が享受しています。しかし、カラスによる被害が問題視されており、枝が折れることや糞害で花が咲かない枝が出てきていることが報告されています。「京都新聞」でも取り上げられたこの問題は、公園管理者の間でも関心が高い状況です。また、二条駅前に新たに植えられている枝垂桜は、円山公園の枝垂桜の3代目とされています。

アクセス

円山公園へのアクセスは良好で、京都河原町駅から徒歩15分、祇園四条駅または東山駅からはそれぞれ徒歩10分です。京都市営バスや京阪バスも利用可能で、最寄りの「祇園」バス停からは徒歩5分です。駐車場も完備されていますが、花見シーズンには混雑することがあるため注意が必要です。

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