円通寺 (美濃市)

圓通寺（えんつうじ）は、岐阜県美濃市にある臨済宗妙心寺派の寺院です。山号を臥竜山と称し、静かで落ち着いた雰囲気をたたえています。この寺は、寛永3年（1626年）に清泰寺の三世住職である北州祖秀によって、清泰寺の塔頭として建立されました。

江戸時代を通じて、圓通寺は上有知（現在の美濃市市街地）の住民たちの信仰を集め、檀家として大いに繁栄しました。その歴史を物語るように、境内にはこの地ゆかりの著名な人物の墓が数多く存在します。例えば、上有知出身の儒学者である村瀬藤城、同じく上有知出身の画家である村瀬太乙、そして書家として名を馳せた村瀬秋水などが眠っています。さらに、本居春庭の門人であり、喪山考を著した国学者、河村内郷の墓もこの寺にあります。これらの歴史的な背景から、圓通寺は美濃市の史跡として指定され、地域文化の重要な一部を担っています。

また、圓通寺は宗教的な面でも重要な役割を果たしています。寺内には弘法大師が祀られており、中濃八十八ヶ所霊場の三十八番札所として、多くの巡礼者や参拝者が訪れます。この霊場は、地域の人々の信仰を集める場所として、今日までその伝統が受け継がれています。圓通寺は、歴史的な価値と宗教的な意義を併せ持つ、美濃市を代表する寺院の一つです。

圓通寺を訪れる際には、これらの歴史的な背景や文化的な側面を理解することで、より深くその魅力を感じることができるでしょう。美濃市の歴史と文化に触れる旅の一環として、この寺を訪れることをお勧めします。


参考文献

* 『美濃市史　通史編下巻』美濃市 p447 1980年

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