再処理ウラン

再処理ウランとは

再処理ウラン（Reprocessed Uranium, RepU）は、使用済み核燃料の再処理過程で回収されるウランを指します。これは、使用済み核燃料中に残存するウランを有効活用する試みの一つであり、回収ウランとも呼ばれます。再処理ウランの主な供給源としては、英仏日などの再処理工場で生産される商業的なものと、核兵器保有国でプルトニウム製造の副産物として生成されるものがあります。

再処理ウランの組成と現状

商業用軽水炉の使用済み核燃料の大部分（約96%）はウランであり、プルトニウムやマイナーアクチニド、核分裂生成物はわずか4%程度です。しかし、再処理ウランの再利用は、ウラン市場の価格低迷と、ウラン236などの好ましくない同位体を含むため、現時点ではあまり進んでいません。特にウラン236は、核分裂反応に寄与しないため、再濃縮の際に適切な反応度を維持するためには、より高い濃縮度が必要になります。

再処理ウランの将来的な利用

天然ウランの価格が上昇すれば、再処理ウランの濃縮・再利用が経済的に有利になる可能性があります。また、高速増殖炉が実用化されれば、再処理ウランはプルトニウムを生産するための燃料ブランケットとして活用できる可能性があります。ただし、2018年時点ではウラン市況は低迷しており、再処理ウランの利用はコスト的に見合わない状況が続いています。

その他の再処理ウランの利用法

CANDU炉での再処理ウラン活用も研究されており、CANDU炉は天然ウランを燃料とするため、使用済み核燃料中のウラン235濃度は天然ウランよりも高く、再濃縮の必要がないという利点があります。また、DUPIC（Direct Use of spent PWR fuel In CANDU）という、加圧水型炉の使用済み核燃料をCANDU炉の燃料として再利用する技術も検討されています。この技術は、化学的な処理を行わず、単に燃料を小片に切り分けるだけで再利用できるため、コスト削減が期待されています。さらに、再処理ウランと劣化ウランを混合し、ウラン235濃度を調整することで、天然ウランと同等の燃料として利用する研究も進められています。

まとめ

再処理ウランは、核燃料資源の有効活用という点で重要な役割を果たす可能性を秘めていますが、コストや同位体の問題が課題となっています。今後の技術開発と市場動向によっては、再処理ウランの利用がさらに進むことが期待されます。

参考文献:
Advanced Fuel Cycle Cost Basis - Idaho National Laboratory
Module K2 Aqueously Reprocessed Uranium Conversion and Disposition
* Module K3 Pyrochemically/Pyrometallurgically Reprocessed Uranium Conversion and Disposition

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