再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法

再生可能エネルギー電気の利用促進に関する特別措置法

概要

「再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法」（通称：再エネ特措法）は、2012年に施行された日本の法律です。この法律は、電気事業者が再生可能エネルギーから生成された電気を固定価格で買い取ることを義務付けています。これは、持続可能なエネルギー利用の促進を目的とし、環境負荷の軽減やエネルギー供給の安定化を図るために重要な役割を果たしています。

背景

再エネ特措法は、2003年施行の新エネルギー利用に関する法律（RPS法）の後身で、対象を広げ全量買い取りを実施することで再生可能エネルギーの促進を狙ったものです。法施行以前は、再生可能エネルギーの普及が他国に比べ進展していなかったことを受け、より効果的な制度が求められていました。特に、2011年の東日本大震災後のエネルギー危機を受けて制度見直しが加速しました。

法の目的

この法律は、我が国におけるエネルギー供給の安定を図り、環境問題への対応を強化することを目指しています。具体的には、再生可能エネルギーの利用促進を通じて、国際競争力を高め、経済発展に寄与することを目的としています。また、電気事業者に対して特別な調達価格と期間を設定し、再生可能エネルギー電気の供給をさらに進める狙いがあります。

買取義務と対象

再エネ特措法において、固定価格での買取義務を担うのは一般送配電事業者と特定送配電事業者です。対象となる再生可能エネルギーは、太陽光、風力、水力（30,000kW未満）、地熱、バイオマスなど多岐にわたります。明確に定義されているこれらのエネルギー源は、電気エネルギーの供給において重要な位置を占めています。

調達価格とその決定方法

経済産業大臣は毎年度、発電設備の種類や規模に基づき、再生可能エネルギー電気の調達価格を設定して公表します。設定は、経済産業省におかれる調達価格等算定委員会により決定されます。また、入札制が導入されたことにより、調達価格の透明性と競争性がより向上しました。

特定供給者との契約

再生可能エネルギーを供給する法人（特定供給者）は、設備に関する認定を取得する必要があります。認定の際、接続に伴う費用負担への合意や出力抑制の了承が重要な条件となります。また、電気事業者との間で特定契約を結ぶ義務があります。これにより、再生可能エネルギーの供給の安定性や安全性が確保されます。

電気料金への影響

電力事業者は、再生可能エネルギーの電気購入にかかる費用を需要家に賦課金として上乗せすることが認められています。ただし、その費用負担が過剰にならないよう、企業努力が求められています。国もこの点を考慮し、適切な情報提供を行うことに努めています。

特例措置と罰則

規定された一定の電力を超えて消費する需要者には、賦課金の減免措置が設けられています。また、もし電気事業者が正当な理由なく特定供給者との契約を拒否した場合、一律の罰金が科されます。

今後の展望

この法律は、今後もエネルギー政策の見直しに合わせて改正が進められる予定です。さらなる再生可能エネルギーの利用拡大を目指し、より多面的なアプローチが期待されています。業界全体での定期的な見直しや制度の改善により、持続可能なエネルギーシステムの実現に寄与することが求められています。

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